第四十五話 新婚旅行
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アルビオン貴族から発せられる、敵意の眼差し無視してカトレアとパーティーを楽しむつもりだったが、思わぬ人物の登場にその計画は脆くも崩れ去った。
「マクシミリアン殿! お聞きしたい事があります!」」
「これはウェールズ王子」
ジェームズ王の息子のウェールズ皇太子が、マクシミリアンの事をまるで物語の中から現れた人物の様に偶像化させ、マクシミリアンの側から離れなかった。
ウェールズはこの時、小学校低学年くらいの年齢で、妹のアンリエッタと大して年が変わらなかった。
「先の戦乱において、マクシミリアン殿の指揮する軍勢は電光石火の用兵で、並み居る反乱軍を蹴散らしたと聞きましたが、その時はどの様な事を考えていたのですか?」
「それはですね……」
色々と尾ひれが付いて、どういう訳かマクシミリアンが指揮していた事になっていた。
「それとですね! ああ! せっかくお会いできたのに、聞きたいことが多すぎるっ!」
ウェールズは、『嬉しさを抑えきれない』といった風に自慢の金髪をかき混ぜた。
「ウェールズ王子、時間はまだありますよ。落ち着いて」
「はい! ありがとうございます!」
「カトレア。そういう訳だから何処かで時間を……あれ?」
マクシミリアンはカトレアの姿を探すと、離れた場所でカトレアは緑色の髪の少女をおしゃべりをしていた。
(そう言えばカトレアの同年代の友人の話は聞かないな)
そう思い出して。楽しそうに語らうカトレアを温かく見守る事にした。
「あの! マクシミリアン殿!」
「ああ、ごめん。ウェールズ王子」
「実はお願いがあります!」
「僕に出来る事ならば良いけど」
「その……」
「……?」
「兄上と呼んで良いですか?」
「……へ?」
素っ頓狂な声で、マクシミリアンは聞き返した。
「その、従兄弟同士ですし、僕には兄弟がいませんし、良いかな? と思ったんです」
「ああ、そういう事……うん、分かった。それじゃ僕もウェールズを呼んでも良いかな?」
「はい! もちろんです兄上!」
そういう訳で、ウェールズはマクシミリアンの事を兄上と呼ぶようになった。
その後も、ウェールズの相手をし続けたマクシミリアン。ウェールズは夜も遅いという事で引き上げてしまった。
ようやく、解放されパーティー会場を見渡すと、周りの貴族達はマクシミリアンと一定の距離を取っていて中々近づいてこなかった。
その周囲の空気を全く読まず、二人の男がマクシミリアンに近づいてきた。
「こんばんは! マクシミリアン王太子殿下!」
「こんばんは、初めてお会いしますよね?」
「これは、失礼しました! アルビオン空
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