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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第八話
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気にしている。






「――あら。イリアが静かになったと思ったらアンタだったの。で、そこで鳩尾抑えて何かあったの?」


未だ悶えて居るところに上から聞こえてきた声に見上げると、やけに嫌な笑みを浮かべるハロルドが居た。

「……その笑みの通りこの現状の原因は十中八九ハロルドのせいとしかいいようが無いんだけど」


「あら、酷い言いがかりね。私はあくまで『コレ』を見せただけで、ぶつかったのはイリアなんだから」


そう言いながらハロルドは『ソレ』が入った入れ物を此方に見せてきた。後ろでイリアが再び変な悲鳴を上げて僕の後ろに隠れる。
……何故に僕。
……それにしても……


「……ハロルド。『コレ』って一体…」


「ウィルが持って帰ってきた赤い煙に包まれてたコクヨウ玉虫よ」

ハロルドのその返答に、嘘だと思ってしまう。何故なら、当初僕がウィルに見せてもらったコクヨウ玉虫は、まるでてんとう虫を思わせるような色合いの虫であったが、今ハロルドが見せているソレは、その色合いは無く、虫とは思えない程の岩のような甲殻に身を包まれたモノだったからだ。


「あぁ。先に言っとくけど、嘘じゃないわよ。ちゃんとウィルやリタも見てるし。それに面白いわよね。この虫、目や耳、口や鼻とか元々あった生物にあるべき物が無くなってるもの。まるで別の世界の生物みたいに」

本当にさも楽しげな表情を浮かべるハロルド。……本当にある意味マッドサイエンティストというか何というか……。




それにしても…『生物にあるべき物がない』、『別の世界の生物』…か。
……待てよ。このコクヨウ玉虫にそんな特性がある訳ない。あるとすれば……『赤い煙』!?


「ねぇ、ハロルド!この特性ってさ……もし人間に起こったら――」


「アンタが思ってる事はコッチも現在調査中よ。でも、もし発生すれば…害があるのは確実ね」


そう言った後「んじゃ、まだ観察は続けるから何か分かり次第言うわ」と言って鼻歌混じりに研究室に戻っていくハロルド。


コクヨウ玉虫に起こった謎の現象……もし本当に『赤い煙』が関連してるなら…ジョアンさん、大丈夫だといいんだけど…。


「………ところでさ、イリア。そろそろ離れてくんない?」


「行った!?あの虫とハロルド、本当に行ったのっ!?」


「行ったからさ、マジ離れて下さい」


別に嫌って訳じゃないけど……そろそろ爪が食い込んで痛いんだけど……。








―――――――――――


「――では、宜しくお願いします」



「――はい、分かりました」


ホールに戻って見るとやけに髭が特徴的な老人が依頼
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