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僕は生き残りのドラゴンに嘘をついた
番外編
二人で迎える、初めての新年(2018年お正月番外編)
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らの」

 勇者以外の三人も大慌てのソラトに対し、それぞれ笑いながら言葉を返してくる。そして次々とマントを開き、最初に会ったときの恰好を披露した。

「というかソラトくん。どうして巣の中で新年を祝っているんだい? 暗いところで話してるから話題も暗くなっていくんだって。酒持ってきたから、外行こうよ、外」
「おいコラ。人の家にズカズカ入ったあげく勝手に仕切り始めるな」

 女戦士は勇者をたしなめるが、ソラトはその提案を受けた。

「それはそのとおりかも。外で一緒に乾杯しましょうか。デュラいいよね?」

 デュラは穏やかな顔で首を縦に振った。



 ***



 横穴の近くに、大きく開けている場所がある。
 座っていても、麓の森や、ペザルの街並み、港、その先に果てしなく広がる海が一望できる、天然の展望台だ。

 ――人間では、夫婦は嘘や隠し事をしないことになってるんだ。だから、僕はもう二度とデュラに嘘をつかないよ。
 ――では私も嘘をつかないよう気をつけよう。

 かつてソラトとデュラが誓いを立てた、二人にとっては特別な場所だ。
 あまりの絶景のため、二人と四人は最初円形にはならず、全員がその景色のほうに向いて座った。酒の入った樽は一時的に忘れ去られ、景色に同化する。

「デュラ、見て。あそこにものすごく大きな船が見えるでしょ?」
「ああ。私がお前に乗せてもらった船よりもずっと大きい」
「だよね。しかも豪華だ。船だけじゃない。建物だって、少し前よりも立派な建物が建つようになってる。大魔王がいなくなったことで生活が脅かされなくなったから、いろいろなところに力が注げるようになってきてるんだ」
「なるほど。ソラトはよく見ているな」

「そのうち何もかもがすごい進歩して、僕ら人間は誰もがドラゴンみたいに力が有り余るようになるかもしれないよ。そうなったとき、人間も不必要に他の生き物を殺したり、世界征服とか変なこと考えたりする人が出てきちゃうかもしれないよね」
「だからー。ソラトくーん」

 もちろんその声は勇者からだ。

「あ。ごめんなさい。新年にする話じゃないですよね。あはは」
「いやいや。そのようなことを考えるのも大事じゃろうて。まあ勇者殿のように強くても頭の中がスッカラカンで野心のない者もおるからの。決して未来は悲観するものでもあるまいて」
「それほとんど悪口だろ」

 褒めているのかけなしているのかよくわからないが、言われている本人は後者に受け取ったようである。

「ははは。ところで、勇者さんたちってまだ世界を旅してるんですか?」
「そうだよ。もう少しでそれも終わるけど。早めに切り上げたかったんだけど王様がうっさくてさ。ほんっとめんどくさ」

 勇者は生あくびと両手を挙
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