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2章 生き様
13話 マスタースミスが欲しい物
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自分でも少々自覚はしている。

 

「イヤリングだね。えーと、アイテム名は、“コングジスタンス”。…へぇ…」

 鑑定スキル持ちのリアが、鑑定結果が示されているだろう画面を凝視していた。彼女の反応からすると、なかなか良いものだったのだろう。それは予想を裏切らず、

「これ、片方ずつ違うプレイヤーが付けられるんだって」

 
 普通、2つで一対のものは、片方ずつ違うプレイヤーが装備することはできない。あくまで、“2つでセット”として認識されるのだ。だが、そのイヤリングは、違うという。情報提供も行う2人でも、そんなアイテムは聞いたことがなかった。


 リアが、イヤリングの片方をツカサの手のひらに置いた。ティアドロップ型の薄紫色をした宝石が、きらりと光った。


 リアの話を聞いていると、それにはツカサとリアにお誂え向き、と言おうか、まるで2人のためだけのような特性がある。ツカサがそれを装備すると、耳朶に軽い錘を付けたような感覚がする。それにしても、本来の物質の重さよりも耳朶を引っ張るような気がするのは気のせいだろうか。











 この分かれ道に来るのは、もう3回目になってしまった。真ん中と左の道は行ったので、最後の右の道が恐らく最深部へと続いているのだろう。







 右の道をまたまた歩くこと15分。そこには、部屋などはなかった。…その代わりに、大きな口を開けている2つの分かれ道があった。

「また分かれ道か…どっちに行く?」
「……え?ごめん、何?」

 考え事でもしていたのか。

「どっちに行くかって聞いたんだ」
「うーん、そうだねぇ…」

 リアは数秒悩んでいたようだったが、不意にその口角が片方だけ上がり、灰茶の瞳がきらりと光った。

「ね、ツカサ君。たまには別行動してみない?」
「別行動?また藪から棒に」
「いや、いつでも一緒だからさ、たまには〜って。時間短縮にもなるし」

 ツカサはじっとリアの目を見つめた後、ゆっくりとため息を吐いた。

「まあ、いいんじゃないか。リアがそう言うなら」
「それじゃあ、どっちに行く?」
「…右で」
「じゃあ、私は左に行くね」
「わかった。またあとでな。…くれぐれも気をつけろよ」
「ツカサ君もね」

 音符マークがつきそうなぐらいな言い方でそう言うと、リアの背中はあっという間に左の通路へと消えていった。



 一人残ったツカサは右の道を見据えると、その口へと一歩を踏み出していった。

 




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