ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
13話 マスタースミスが欲しい物
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。
かなりハイレベルなうえ、灼熱地獄という、決してプレイヤーにやさしいとは言えないこのダンジョンだ。トラップの可能性は大いにある。…のだが…
「よし、開けよう」
「そう言うと思った…」
迷いなく、宝箱を見た瞬間、リアはそういった。やれやれ、と首を振るツカサを置いて、リアは宝箱を躊躇なく開けた。
ツカサの心配は、結局杞憂で終わることはできず、その宝箱は耳をつんざくようなけたたましい声を上げた。すると、途端に部屋の隅から、先ほどリアたちが戦ってきたモンスターたちがぞろぞろと部屋に侵入してきたのだ。
「やっぱりトラップだったかぁ」
「知ってて開けたのか」
「え?」
満面の笑みで聞き返すリアだが、それはすなわちイエスだ。まったく、と相棒の無茶苦茶ぶりに呆れ半分、知らぬ間にツカサの口角は上がっていた。
「まあ、いい。殺ろうぜ」
「言われなくても!」
リアの愛剣がまだ鳴き続ける宝箱を粉砕した音が、試合を告げるゴングとなった。
「なかなか楽しかったね」
肩に剣を乗せ、リアはすっかり片付いた部屋を見回しながら満足げに言った。また背に槍を吊るし直すツカサの顔も明るい。
「レベル上げには最適だな」
ハイレベルなうえに、大量だったため、2人のレベルは1つ上がったほどだ。リアはうーん、と声を出しながら、大きく伸びをした。
「ここは行き止まりだったし、また分かれ道に戻ろっか」
そういって、再び分かれ道に戻ってきたリアとツカサ。
「今度はどっちに行くか、ツカサ君が決めてよ」
「えー…じゃあ、左」
「オッケー」
というわけで、今度は左に進む。だが、同じく15分ほど歩いた先に会ったのは、先ほどと同じアーチ。まさかと思いながらそれをくぐると、そこには、真ん中の道の突き当りに会った部屋と広さも見た目も何もかも同じだった。…そう、中央の黄金の宝箱さえも。
「よし、開けよう」
「…懲りないな…」
再びの即答。あれだけ戦ったのに、リアはまだ足りないらしい。なんだか、宝箱の中身に臨むものが一般プレイヤーと違うのは気のせいだろうか…?
ツカサはまた自分の得物に手をかけ、いつどんな敵が来てもいいように構える。それを確認してから、リアは躊躇なく宝箱を開ける。
…だが、いつまでたっても、先ほどのような大音量の音は聞こえなかった。
「あーあ、アイテムだったみたい」
モンスターのトラップよりも、アイテムを発見して残念がるプレイヤーはほかにはいないだろう。かくいうツカサもその部類に入ることは、
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