ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
13話 マスタースミスが欲しい物
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イズ・インゴットという金属です」
リズの返答を聞くと、リアは紅茶のカップ越しでウィンクした。
「言い忘れたけど、敬語いらないよ。どうせ歳だって同じくらいだしね」
リズは思わずリアの顔をまじまじと見てしまう。女にしては高めの身長や、雰囲気からなんだかすごく年上のような感じがするのだが、こうしてみると確かにそうかもしれない。だが、それでもこの世界では有名かつ偉大な人なのは変わらないため、少々迷う。だが、結局
「…わかったわ。私も敬語好きじゃないから。リズって呼んで」
「うん、そっちのほうがいいね。よろしく、リズ」
リアはカップを置くと、リズに微笑みかけた。同性なのに、思わず胸が高鳴ってしまうような笑顔だ。男だったら絶対惚れてる自信はある。
「で、ヒートヘイズ・インゴットだったね。私、そのインゴットの名前聞いたことないな」
「最近発見されたばかりだしね。しかも、最前線の2層下のダンジョンらしいから、まだ誰も採取したことがないのよ」
「なるほどね。金属関係の情報は鍛冶屋のほうが早いだろうから、私たちが知らないのは当たり前か。…誰も踏破してないってことは、その情報はNPCから?」
誰も手に入れたことがない金属の存在がうわさされるということは、NPCからしかありえない。リズは頷いた。
「そう。しかも、どうやら一回きりのクエストらしいから、急がないと…」
「なるほどね…オッケー、その依頼、受けさせてもらうよ」
「ありがと!」
―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―
「「あづい…」」
口から吐き出されたリアとツカサの言葉は見事にシンクロするが、それに反応する気力もない。
あれからリズと別れ、最前線より2層下の層に来て、リズから聞いていたNPCを順序良く発見した。ここに南に真っすぐ行った山のふもとに地下へと降りられる階段がある。その奥に居座る巨大なドラゴンを倒せば、ヒートヘイズ・インゴットが手に入るという説明を聞き終え、早速その山のふもとに行ってみると、確かにその洞窟の入り口があった。石造りの扉を押し開け、階下へと続く階段をゆっくりと下っていくと…
「…ねぇ、なんだか暑くない?」
「俺も今それ思ってた…」
階段を下るほどに気温が上がってくような気がして、リアとツカサは首を傾げた。やがて、耐えがたいほどまで気温が上がったとき、やっと階段が底にまでたどり着く。
その時、目の前に広がった光景に、思わず2人はフリーズした。そして、心の中で納得した。…そりゃ暑いわけだ、と。
ドロドロに赤く輝くマグマが壁の両側を流れ落ち、用水路ならぬ用マグマ路をゆっくりと流れて
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