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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's〜STS編
第百九話 魔導師ランクの獲得
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ったのですが、戦闘内容の指示がなかったので、こちらの落ち度ですね。
何か疑問点や評価内容についてありますか?」
「いえ、特にありません」
士郎が使用した魔導は実体弾型の魔力弾に魔力を纏った近接戦闘。
弓の弾幕は目を惹くがやっている事はそれほど魔導師として特別な技ではない。
今回士郎と戦った魔導師達も十分に扱えるし、クロノや隊長クラスの魔導師に鳴ると士郎には扱えない魔法を使いこなす。
だが結果は士郎の完勝。
対人戦闘能力の格の違いを見せ付けた形だ。
「ならこちらから良いですか?」
「ええ、どうぞ」
それ故に評価内容に対する受講者側からの質問ではなく、試験官側から戦術の質問。
「空戦魔導師と陸戦魔導師との戦闘試験の際、なぜあの戦い方を選んだのですか?」
「両部隊共に杖からミッドタイプの遠距離魔導師であることはわかっていましたので相手の射程外からの狙撃又は近接戦闘にするつもりでした。
そして、両部隊共に一対多の状況で正面から撃ち合う気はないので近接戦闘では個別撃破。
空戦魔導師は空での高機動が持ち味ですので屋内に下ろしてしまえばそれだけで機動力は激減します。
陸戦魔導師は固定機銃のような役割なので視界を奪う事で同士討ちの危険を起こし撃たせない状況を作ればこちらのものです」
その質問に対して一切の淀みの無い回答。
相手の装備から戦闘スタイルの予測、相手の人数からの戦術選択、相手の苦手な状況に持ち込む技術。
士郎の一番警戒しなければならないのは魔導でも、魔術でもなくこの戦闘判断能力である事を管理局に知らしめた形であった。
「ちなみに視界が悪い中での正確な相手の把握は魔術ですか?」
「いえ、魔術でもなんでもない単純な気配察知の技術です」
「気配察知?」
「ええ、そこに居る相手の気配を感じ取る魔術でもなんでもないものです」
魔術でも魔導でもなく相手の気配を察知する。
武術などで聞いた事はあれどこうして実際に教えられるとエステートとエイミィも驚くしかない。
そして、それはエステートの背後からこの部屋を覗いている者達も同じである。
「魔術でもなんでもないことに驚いたみたいですね。
隣の部屋の方も」
最初に「そういうことでしたら他に覗いている人は無視します」と言っていたのがブラフではなく、気配を察知しはじめからばれていたとは思ってもいなかった者達からすれば驚愕でしかない。
「……よくわかりました。
改めて魔導師ランクと戦闘評価ランクの取得おめでとうございます。
本日の試験はこれで完了です。
本格的に共に働ける事を嬉しく思います」
「ええ、こちらこそわざわざありがとうございます」
「エイミィさんも試験官お疲れ様」
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