第百三十七話 八条荘に帰ってその三
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「神様みたいだよね」
「邪神ですね」
「それだね」
九尾の狐、この玉藻前と呼ばれる狐はだ。
「もうそれの域だよ」
「本当にそうですね」
「妖力も桁違いだったし」
何しろ国を滅ぼして回ったからだ、そう考えると日本は法皇が惑わされたけれど被害はましだった。
「しぶとかったしね」
「死んでもですね」
「石になってね」
殺生石だ、関東にある。
「空を飛ぶ鳥を落としたとか」
「その妖力で」
「そうらしいからね」
「有名な話だな」
留美さんも言ってきた。
「それは」
「ああ、知ってるんだ」
「うむ、その狐の話はな」
「そうなんだね」
「私も聞いている」
こう僕達に言ってきた。
「九尾の狐の話はな」
「そうなんだ」
「むしろ円香が知らないことがだ」
こう円香さんに怪訝な目で言った。
「不思議だ」
「私が、ですか」
「本当に九尾の狐を知らないのか」
「今までは」
「この妖怪は有名だがな」
それこそというのだ。
「漫画や小説、歌舞伎にもなっているしな」
「登場作品が多いのですか」
「かなり多い」
実際にというのだ。
「日本最強の妖怪の一つだ」
「最強ですか」
「魔神や魔王と言ってもいい」
その強さの域たるやというのだ。
「何しろ国を滅ぼして回ったのだから」
「中国やインドで」
「殷は実際に滅んだ、商ともいうが」
殷の実際の名前はだ、実は商といったらしい。
「この国はあの狐に滅ぼされた様なものだ」
「紂王が惑わされてね」
「うむ、そうだ」
留美さんは僕にも応えてくれた。
「まさにな」
「そう言われてるしね」
「インドではすんでのところで逃げて周ではだ」
幽王を惑わした時はだ、この時は狼煙で敵が攻めてきたと思って諸侯と諸侯が率いる軍勢を見て笑い幽王がその顔があまりにも美しいと惑ったらしい。
「一度滅ぼした」
「その国もだね」
「異民族に攻めさせる形になってな」
幽王が何度も喜ばせる為に狼煙をあげてそれでもういい加減諸侯もまた嘘だと思っていると本当に異民族が攻めて来た、狼少年そのままだ。
「滅ぼした」
「それで周は遷都したんだよね」
「残った者達が国を再興してな」
「そうなったね」
「だがその力は大きく衰えた」
国を再興出来たがそれでもだ。
「そして中国は長い戦乱の時代に入った」
「周の力が弱まって反比例して諸侯の力が強くなって」
そして諸侯を抑えられなくもなってだ。
「後は始皇帝が統一するまでね」
「何百年も戦乱の時代になった」
「凄い話ですね、春秋そして戦国時代ですね」
円香さんはこのことはわかった、一年生の間では文系でかなり成績がいいと聞いているけれどそれが今出たということか。
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