第12話 忍び寄る殺意
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い提案ね」
「それじゃあ、頼んだぞ」
もう用は済んだのか階段に向かおうとする士郎に、旭が疑問を呈する。
「あら?もういいの?つれない男ね。今なら誰もいないし、私を押し倒せるわよ?」
「・・・・・・・・・前々から思ってたが、最上はそんな感じで俺を誘って来るけど、実は俺のこと好きなのはそっちの方なんじゃないか?」
何時も揶揄う様に煽ってくるので、ちょっとした反撃のつもりで言ったのだが、
「ええ、好きよ。愛してるわ。今すぐ野性的に襲われたいくらいに」
「え゛!?」
あまりに衝撃的かつ予想外すぎる言葉に、士郎は固まって、何と返答すれば困っている様だ。
だがそんな反応に対して旭は追撃する。
じりじりと距離を詰め、壁際に追い込んでから人差し指で士郎の胸を弄ぶように突き、耳元で蕩けるように囁く。
「ねぇ――――私に・・・どんなことしたい?今すぐ――――士郎が私を貰ってくれるなら、好きなだけ玩具にしてくれていいのよ?士郎が望むなら何所であろうと好きにしていいのよ?」
「あ・・・・・・ぐ・・・」
あまりに面白い反応、それがつい可笑しかった様で遂に此処でネタバレ。
「ウフフ、冗談よ。ホント、貴方ってばこの手の事で揶揄いやすいわよね」
瞬時に蠱惑的で艶やかな笑みから、普通の何時もの旭に戻る。
あまりに一瞬で身を翻す様な変わりように、深い溜息をついてから本当に疲れた顔をする士郎。
「その手の冗談は、本当に勘弁してくれ」
「ごめんなさいね。貴方も反撃のつもりだったんでしょうけど、その辺学習して行かないと、何時か悪い女に騙されちゃうわよ?士郎ってば、脇が甘そうだから」
「・・・・・・助言感謝する。けどな」
「え?」
先ほど言った様に学習能力が無いのか、またも再び旭の両肩を掴みながら真剣な表情で迫る士郎。
「以前から感じてたが、最上は自分を大切にしなさすぎだ。もっと大事にすべきだ!」
「・・・・・・・・・」
一切偽りのない琥珀色の瞳、本気で自分を心配している表情、何より両肩を掴む手には真剣さを感じ取らせる力強さがあった。だが、
「士郎、ちょっと痛いわ」
「あっ、悪い」
「もう大丈夫よ。それよりも、さっき言ったばかりでしょ?これじゃあ、私の方が本気になっちゃうじゃない?」
「だけど俺は、ホントに・・・・・・」
「ハイハイ、分かってるわ。士郎が本気で私を心配してくれてるのは十分伝わった。けどね、私は十分自分の身を大切にしてるから平気よ」
「・・・・・・つまり余計な世話だった訳だな」
お節介だと言う事にすまなさそうにする士郎だったが、
「そんな事ないわよ」
「最上?」
「士郎の本気は十分
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