第12話 忍び寄る殺意
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lude−
昼休み。士郎は屋上に来ていた。今朝の百代への殺意を向けたものが気になるのと、もう一つの理由から議会の議長を務めているクラスメイトの最上旭と2人きりで。
「昨日は御苦労様だったわね士郎」
「そちらこそ、まだ残っていた在校生徒達に決して1人で帰宅しないように義務付けたり、各所の連絡お疲れ。相当な指揮能力だったと、教師である先生方も舌を巻いてたと聞いたぞ?」
「お褒めに与り光栄ね。けどあの後、貴方の屋上からの監視と護衛に比べたら如何って事は無いわよ。神弓さん?」
「それ、やめてくれ」
「あら?気に入ってるんじゃないの?」
「判ってて揶揄ってッるだろ、またっく・・・」
それで世間話を終えて本題に入る。
「それで、こんな人気のない所に私を呼び出して、どんなふうに押し倒す気なの?」
「・・・・・・何の話だ?」
「違うの?」
「当たり前だろ!」
「だって士郎ってば『2人だけで大事な話があるから、昼空けておいてくれないか?』って、私の両肩を掴んで真剣な表情で迫って来たじゃない。だからこそ私はてっきり愛でも囁かれるのだと思ってちょっと覚悟して来たのだけど、なんだか肩透かし過ぎてホント貴方は罪作りよね?」
「言葉は選んだつもりだったんだがな・・・」
「アレで?客観的に見れば、如何考えても愛の告白かプロポーズだったわよ?」
如何やら今日も何時もの士郎、全開のようだ。
「本当に覚悟したんだから、今後はより言葉を選んで気をつけなきゃ駄目よ?」
「・・・・・・すまん」
士郎の微妙な態度に嘆息する旭。
「それで私に聞きたい事って?」
「ああ、実は朝――――こんな事があったんだ」
あらましを説明する士郎。それを全部聞き終えてから旭は、
「――――それで如何して私が呼び出されたのかしら?」
「百代に殺意を飛ばした相手がいるであろう周辺を気配で探っても大しておかしなことは感じられなかった」
「それで?」
「恐らくは随分な慎重さを持っている奴だ。そして強い」
「で?」
「明日3−Fに転校生が来るらしいな。誰かは聞いても応えてくれる先生方1人もいなかったが。更にその転校生に直前の前日に学園内の見学を許可していると。そして気配を消しているが僅かに漏れているせいでばれているが、大した速度と足運び」
「つまり士郎の予想で、全て同一人物の仕業だろうから素性を教えてくれと?」
旭の問いに士郎は首を左右に振って違うと否定する。
「俺が言いたいのは、もしものために警戒態勢を敷くためにビデオカメラの設置を議会で検討してくれないかと言う事だ」
「なるほど、確かにこの学園は警備の面で機器に頼りすぎない所があるから、今後の為にもい
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