第12話 忍び寄る殺意
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ない?」
あまりに蕩け切った娘の声音と言葉に久信は一昨日の夜の事を思い出す。
帰って来た燕は言ったのだ。
かつて自分を虐めから助けてくれて、道筋を示してくれた同い年とは到底思えない大人びた少年との再会(覗き見)を果たした事を。
しかし、彼の隣には女――――川神百代がいた事も話す。
そしたら、
『え?何それ?僕の大事な大事な愛娘の燕ちゃんを惚れさせておいて、数年後に別の女を作ってるとか。僕がミサゴを手に入れるのにどれだけ拝み倒して泣き落としを使った末だと思ってるんだろう?なのにソイツ、二股掛けた上にどっちも美少女とか、例え国が少子化対策として一夫多妻制を許しても、モテナイ男代表として絶対に許されない所業だよね?ソレで燕ちゃん。もう、死刑にしていいって事だよね?』
そう言ったら、口元は笑みのままなのに、瞳の中からは前向きな感情が消失し、おおよそ決して父親を見るような目では無く、
『何言ってるのおとん?悪いのは士郎じゃなくて、誑かした川神百代の方に決まってるじゃない?なのに士郎を死刑とか、おとんが大した事出来るとは思えないけど、もし士郎に何かあったら、おとんでも容赦しないよ?』
『はい、すいません!つい調子乗ってしまいました!ちょっと、可愛い娘を持って行かれる父親の心境とかやってみたかっただけなんです!!』
身の毛がよだち、必死に平謝りした事まで思い出した。
だがあの時、確かに士郎に怒りを向けて無かった筈なのに、これは如何いう事だろうか?
『聞きたいんだけど、彼が如何かしたの?』
「今も士郎の横に、泥棒猫がいるのよ。それに後ろにもハーウェイ家次期当主の護衛の女まで色目送ってるんだけど、あの2人もう撃ち殺しちゃっていいよね?」
『ちょっと!?待った待った!燕ちゃん!それ、そんなに銃殺できる銃弾なんて作った憶えないよ!?そもそもそれ性能的にはガスガンですらないし!!』
「大丈夫だよ、心配しないでおとん。銃刀法違反で捕まったりしないギリギリで改造はやめたから」
『ほって、そう言う問題じゃ無く!』
「でも私の気を籠めればあら不思議、人ひとり余裕で撃ち殺せるスナイパーライフルに大変身なの♪」
『だから待って、押さえて!自分を落ち着かせるんだ!』
しかし燕は聞く耳を持たない。
声音は素晴らしいぐらいに落ち着いているのに、スコープを除いている本人の瞳には嫉妬と憎悪に染まっていた。
「私はこれ以上なく冷静だよおとん。ここに配置取前に、ちゃんと九鬼従者部隊の警備場所は調べたし、理由は知らないけど増員分の居場所も確認した。何より、おとんの技術をチャッカリちょろまかして、上空から見つからない為のステルス機能付きのテントだって張ってるんだよ?」
『準備周到過
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