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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
第十二話「平穏な日々に」
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に放り込んで

「おえっ」

吐き出した。

「なんだこれ、湿気(しっけ)てるじゃねえか。」

「それをポケットに入れたのは一ヵ月半前ですよ、マイロード。」

「マジか、どおりで...そろそろ反応のあった場所だな。」

「この辺りですか?」

「間違いないぜ。よいしょっと...」

近くの岩に登って辺りを見渡す。

(原始的だけど確実だよな)

だがそうやってのんびりとした口調だったのもその反応を見つけるまでだった。

「あれ...人じゃねえか!?」

岩から転げ落ちるように降りて思いっきり力走する。少し離れた岩場に三人...いや、一人は使い魔だろうか?が倒れていた。

「お、おい!大丈夫か?」

返事はない。

「マイロード!」

「わかってる!」

そういって素早く通信の魔法をくみ上げる。

「あーもしもし、エドか?俺だ、エレギオだ。急患だ。人数は三、うち一人は左手に刃物かなんかでやられた傷あり。脈は今取ってる...正常だ。呼吸は問題なし。...場所?マザール荒野の中央部だ。...ああ頼むよ。直ぐ来てくれ。子供の世話はジャックに任せてるからスプーキー連れてきて車回してきてくれよ...ああ、あんがと。そんじゃ切る。」

そう言ってエレギオは三人の顔を見る。

「不思議な奴らだな...」

一人は孤児院の子供たちとそうかわらない女の子。
一人は恐らく使い魔。元々は犬だろうか?
そして最後の一人は...

「本当に見れば見るほど不思議な奴だな...お前はよ。」

中性的な顔立ちの少年。左手には芸術作品のように美しい剣が抜き身で握られていた。
世界を知るエレギオでもこんな剣は見た事がない。
そしてそれを握る左手からは...紅が線を描いて固まっていた

「待ってろよ。すぐに助けが来るからさ。」
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