第二章「クルセイド編」
第十二話「平穏な日々に」
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クはさっきまでのしかめっ面から一転してちょっと悪ぶった笑顔になって子供たちの所へ指をぽきぽきと鳴らしながら歩いていった。
「とと...ジャックは察しが良くて助かるわー。」
「付き合い長いからでしょう、マイロード。」
「老人みたいな言い方をするなよ、確かに長いけど俺もジャックも19だぜ?
人生の長さ考えたら短いもんだっての。」
「そんな事言ってると早死にしますよ?」
「おおー怖い怖い。」
一方孤児院を出たエレギオは、買出しの為に都市部に戻るでもなく荒野を歩いていた。
(どうやって買出し本当は行ってないのを誤魔化すかね...)
あの子達はかなり勘がいい。時たま預言者スキルがあるんじゃないかと疑うほど。
だからと言って簡単にばれるようなヘマはやらかさないが。
「しっかし何だったのかね、あの反応は。」
エレギオはかなり腕利きの魔道士だ。だがそれだけではない。普通に腕利きと言うだけではなく今彼が痒そうに擦っている右目にそこいらの魔道士から「チートだろ!」と怒鳴られるような希少技能を隠しているのだ。
その能力を『天上眼』と言って、一言で言うなら超高性能のレーダーと言ったところか。魔力、生命力などの反応を探知できる能力なのだ。サーチャーなんかよりも遥かに優秀で、エレギオはこの力の使用に関して熟達しているので自分から半径50km以内の何処に誰がいるか、その強さはいか程かを認識できるのだ。更に言えばこの眼には幻術が効かないと言う特性がある。その類を武器とする魔道士にとっては天敵とも言える強力な希少技能なのである。
こんな便利な能力があると知ってエレギオは多少スケベな事も試した事があるのだがそこまでは神様も許してくれなかったらしい。点と情報しか映らない上にそう言う定点に特化してみるのはかなり体力を消耗するのだ。
世の中そんな甘くはない。
「マイロード、なにかを感じたんですか?」
「うーん...よくわからん。いきなり俺の眼に魔力の反応があったんだけどな...」
「魔道士なのは間違いないと?」
「生命反応もあったから十中八九間違いないとは思うんだけどな...」
「なにか問題でも?」
ぽりぽりと髪をかぎながら「反応が妙だったんだよ。」と言った。
「初め見つけたときは無茶苦茶でかかった。エース級所の騒ぎじゃない、完全にロストロギア級の魔力だった。だってのに今はすげえポツンとしてる。生体反応あるから失礼かも知んないけど爆弾みたいだった。」
「…確かにそれは気になりますね。」
「だろ?」
エレギオはポケットからスナック菓子の袋を取り出しながら言った。
そう言ってそのスナック菓子を一つまみ口
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