第二章「クルセイド編」
第十二話「平穏な日々に」
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でっせー!」
「アハハ!エレギオ兄ちゃん変な喋り方ー!」
「うん?変とはなんだ変とは!お兄ちゃん怒っちゃいますよー!」
エレギオに子供達が凄まじい勢いで群がっていった。その数、およそ30。
その外側では少し大人になった子達が羨ましそうに見ている。ここ、『ツァーライト孤児院』の日常だ。
その30人の声に対してまとめて対応しているエレギオは地球と言う次元世界の偉人と言われる『ショウトクタイシ』のような事をやってのけていた。…いや、本物は10人前後だった気がするのでエレギオのほうがある意味偉大か、なにせ『10人の普通に話す大人』と『30人のまくしたてる子供達』だ。どちらがが難しい事なのか言うまでもあるまい。
「お兄ちゃん!絵本読んでー!」
「おーいいともよ!どれ、読んで欲しい?」
「この『せいれいとナップルのみ』って言うのがいい!」
「いいぜ。ほら貸してみ、なになに...
むかしむかしあるところにミラとミュゼというせいれいのしまいがいました、ふたりは...」
他にもエレギオはおままごとの相手をしたり、折り紙をしたり肩車をしてやったりとフル稼働で子供達のお世話をしていた。
(いつも思うがたいしたもんだな...)
と端から見ていたジャックは思った。ひょんな事から始めた孤児院だったがエレギオには幸いな事に子供の世話をする才能があった。
(まあアイツ自身子供っぽい部分も有るからだろうが...)
それでもエレギオはただ優しく遊んでやるだけじゃなく怒る時はちゃんと怒るのでちゃんと教育にもなっている。エレギオはただ甘やかすだけじゃないので子供から甘えられるのではなく慕われているのだ。
…ただ、子供達が最も恐れているのはこのジャックと言う男なのだが。エレギオを怒るように子供も怒るので彼らからしてみたらトラウマ物なのだ。尚性質が悪いことにジャック本人は無自覚と来ている。
ふと見るとエレギオが突然ドラゴンソウルを右耳に当てだした。電話がかかっている様子もない。
(あれは...急用のサインだな?)
了解と言う風に伝えるために右手を上げた。寝坊はするが、ああいうサインをサボりにつかう男でもないのだ。
「よーし、ちょっとお兄ちゃんは買出し行ってくるぜ!」
「ええー!?」
「なぁに心配すんな、直ぐに戻ってくるしジャックもいるから。良い子にしてろよ!」
それでも不満を漏らす子供の頭を撫でながらエレギオはタオルをジャックに投げた。
(やれやれ...俺はエレギオ程は奴らの扱い上手じゃないんだがな。)
それでもタオルを巻いて、臨戦態勢に入った。
「よぉし、俺が相手をしてやろう。」
「ジャック兄ちゃん!」
「プロレスやろー!」
ジャッ
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