暁 〜小説投稿サイト〜
俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
もうちょっとだけ続くお蔵入りネタ集
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した。

「これは貴方の知る、貴方の世界――貴方と人とのつながりを世界として、それを守る事に特化させた盾。手に持つ必要はない。助けたいと思うだけでいい。投擲武器代わりにも使えるけど、その盾は唯一自分だけは護れない。何故ならそれは、他の誰かを護るためだけの盾だから」

 自分を護れない盾など、盾ではない。しかしオーネストと護りは致命的に噛み合わない。だからこそ本来はあり得ない、自分は護れず他人だけを護る盾としました。オーネストはそれに気付き、そしてこれからの戦いが「アズを助けるための、何も失わずに勝つ戦い」であることを再確認し、ヘファイストスに頭を下げました。

「ありがとう。こいつで今度こそ……守りたい奴全部守って勝利するよ」

 なお、この後鼻血出しそうなくらい喜んだヘファイストスに猛烈にハグされたオーネストはものすごく迷惑そうな顔しながら「今回だけは甘んじて受けるか」と気が済むまでやらせてあげたのでした。





 = =



『時は来た』

「時間だ」



『これより我らは神話の時代と永劫に決別し、人の法を敷き、人の世を創生する』

「これより俺たちは、誇大妄想(メガロマニア)のイカレ共を徹底的に叩きのめし、俺たちの未来(あす)を奪い取る」



『その為に絶対の障害となるオラリオとダンジョン。是を衛星兵器『繁栄を終焉せしめるもの(チクシュルーヴ)』にて跡形もなく消し去る。それこそが創生の最先(いやさき)となる』

「その為にまず、クソ共の作ったクソ兵器の衛星爆撃を防がなきゃならん。業腹だがな。バベルを改造した急拵えの障壁で受け止めきれなきゃそこで負ける。本当に業腹だ」



『これまで僕に付き従い、惜しまぬ努力と新たなる夜明けへの情熱を注いでくれた諸君。これは宣戦布告であり、最終決戦でもある。例え『繁栄を終焉せしめるもの(チクシュルーヴ)』を地上の醜い神の尖兵共が乗り切ったとして、しかし我らの方針に変更などない。徹底的に古き穢れを漂白し、人類に仇名す『魔王』諸共粛々と圧潰せしめるのだ』

「こんな頭の悪い賭博にこれだけの人間や神が参加した事に、正直少し喜んでいる。命より大事な物の為にどこまでも愚かになれる存在こそ、今を生きる存在ということだ。だから究極的にはバベル障壁があろうがなかろうが、やることは変わらない。無論、臆病風吹かせて逃げても俺は一向にかまわん。俺のやることは変わらない。潰して勝って手に入れる。それだけだ」



『地を見よ、あの神々の欲望が構成した薄汚い盆を見よ。あれが敵だ、滅ぼされる運命のものだ。乗る建物も神も人も、全てが人の世界の贄となる。そして地上の全ての魔物を贄として喰らい尽くし、天界を追放者とし、流れる膨大な膿を絞り切った果てに待つも
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