第79話 ノーヴィロイド
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遠退いていくにつれ、異様な空気ゆえの息苦しさから解放されていくように感じた。
そして、「行ってらっしゃいませぇえぇえ!」という黄色い歓声に背中を押されるように、バスは更に山奥の林に覆われた道へと突き進んで行く。
「さぁ、龍太様。このムチでワタクシに愛ゆえの痛みと快感を……」
「何を考えとるんやこいつっ! そのムチ、アタシが使ったるっ! 龍太、これでアタシを――」
「や、やめなさい二人共! 暴力反対よっ! あ、でも、りゅ、龍太君になら……」
「……これはひどい……」
――奇遇だね四郷。俺も同感だよ。超同感。セバスチャンさんも可哀相な目で俺を見てるし……。
どうやら、久水家を出ても妖しい空気は止まないらしい。見兼ねた四郷がムチを奪って窓から放り出すまで、このような地獄は延々と続いていたのだった。
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