第七章 C.D.の計略
輝きを超えた煌き
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!」
だから
「だから、さ!!」
この男は大聖杯に向かう。
目的は願いをかなえることではない。
ここに詰まった「この世全ての悪」という、その魔力を求めて。
願いの実現は、それからでも十分に可能だ。
「エ――――クス・・・・・」
オルタの背後で、ガチャリと立ち上がる音。そして消え入りそうな声がした。
振り返ると、セイバーが剣を振り上げて宝具を放つ準備を終えていた。
だが、脇腹を大きく負傷したこの状態で撃てるのか。
よしんば打てたとして、オルタに当たるのか。
「セイバー・・・!!」
「――――カリ・・・・ッッ!!」
「やめておいたほうがいいよ。エクスカリバーはこんな空間で撃つものじゃないし」
そう、当たる当たらないなら、間違いなく当たる。
エクスカリバーはいうなれば、極太の剣撃ビーム兵器だ。
しかし当たりはしても、この大空洞ごと地上の柳洞寺まで木端微塵だ。
この山そのものが消し飛んでもおかしくはない。
だからこそ、オルタは平穏だった。
この英霊はそこまでして撃ちはしないと。
「で・も・なぁ・・・・」
この英霊は、いざとなれば冷静に判断する。
もしもこの世界がかかってるとすれば、犠牲を覚悟してでも撃つかもしれない。
「ってことでダメだ」
「バッ、グゥッ!!」
聖剣の輝きがピークに達し、振り下ろされるのと同時にオルタの拳がセイバーのわき腹を直撃した。
痛みと衝撃にセイバーが呼気を掃き出し、その手から聖剣がすっ飛んで行く。
ガキン!!と天井に待て吹っ飛び刺さり、そこで光を伴った爆発を起こした。
その光は大空洞内を一気に照らし出し、焼き付くような閃光だった。
だが一瞬目が眩むも、威力はない。
その様子に、オルタは残念そうにつぶやく。
「あれじゃただのフラッシュだ。残念だよ、騎士王さん」
「がハッ!!」
地面に投げ捨てられるセイバー。
もはや打つ手はない。
このまま、オルタは大聖杯を手にしてしまうのだろうか?
「世界に二分された善と悪などいらない。悪一色。それが世界のあるべき姿だ」
「一色では味気ないと思わないかね・・・?」
「美しいかどうかなんてのは人間の感性だ。世界のあるべき姿に、そんなものは関係ない」
「いいや。ある」
「!!!」
オルタの言葉に反論する声。
もっぱらアーチャー、稀にセイバーだったが、この声はどれとも違う。
「アギト・・・?」
「世界のあるべき姿に、人の意思は関係ない。そんなことは、ない」
振り返ったオルタだ
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