第七章 C.D.の計略
襲撃 ギルス
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この世界の選択。彼は、この世界に生き残れなかっただけのこと」
「おい!!」
スゥッ、と消えるオーヴァーロード。
その話を聞きながら、津上は黙って拳を握る。
どうにかして救いたい。彼は、この世界には輝きもあると言った。
それを、言葉だけで消してしまいたく、ない。
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夜
昼間訊いた話をまとめるために、芦原は「EARTH」訓練場内の一角にあるプールで黙々とひとり泳いでいた。
明かりは消えており、天窓からの月明かりがその場を照らしている。
「EARTH」訓練場と聞くと、主に地下訓練場の広い空間を思い浮かべる者がほとんどだと思うが、実際のところはそれ以外にもある。
地下訓練場が実践のためのシュミレーションルームだとすると、こちらの方はトレーニングルームと言えるだろう。
そのスポーツジムのような場所にはダンベルや訓練器具があり、そこにプールも置かれている、というわけだ。
元水泳選手ということもあってか、ごちゃごちゃした話を聞いてこんがらがっていた頭も、ひと泳ぎ(と言ってももうすでに3時間だが)するとすっきりしてきた。
後はぼんやりと浮かんでいれば、整理もできるだろう。
オルタは止めなくてはならない。
だが、もし彼が勘違いや思い違いで悪だと言っているのならば、それは正してやりたい。
かつて、自分も勘違いやすれ違いから不必要な戦いをしたことがあったからか、芦原なりに真面目にこのことに取り組むつもりだった。
何よりも、アギトと生まれをほぼ同じにする存在だ。
これ以上のことを起こされては、いまこの世界で「アギトの力」に目覚め散る者達の立場すら危うくなるだろう。
フゥッ、と息を吐き出す芦原。
肺の中の空気が一気に抜け、その身体が水中に沈んでいく。
一旦底まで沈んだところで、蹴って浮上。
大きく呼吸をして、縁に手をかけてプールから上がる。
置いておいたバスタオルを手にしてから、身体を拭く。
そこに
「芦原さん・・・ですよね?」
「・・・・・」
話しかけてくる声。
臆病、というほどではないも、いまだに緊張感の抜けきらない口調。
「氷川さん、案外強くて・・・・少しは自信あったんですけど・・・ちょっと、またへこみそうです・・・」
「なんだ。何をしに来た?」
振り返る芦原。
月明りに照らされたプールに、件の青年・オルタがいた。
昨晩、アメリカで氷川を破ったと言われていた彼が何故今晩にも日本にいるのか?
問うたところで、あまり意
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