第七章 C.D.の計略
襲撃 ギルス
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教えろ」
「まーまー芦原さん」
ズイと乗り出して話を聞き出そうとする芦原を諌めながら、津上が耳を傾けて話を聞こうとする。
すると、ぼそぼそと話し出すオーヴァーロード。
うんうんと頷いてから、津上が芦原のほうを向いて
「信じて送り出した息子が、人の悪意にドハマリして悪堕ちして現れた。ですって」
「やかましい」
「人と分かり合える、強くなれる子として送り出したのに・・・・」
「あー、成長の方向がそっちに向いちゃったのかー」
「のかー、じゃない。奴は悪人とはいえ人を殺しているんだぞ」
「ふむふむ・・・・もうやめて。嫌悪感で死にそう、だそうです」
「この野郎・・・・というか津上、お前この件に関してかなりドライだな」
本当にこいつあの「闇の力」?と思わせるほどに落ち込むオーヴァーロード。
それに対する冷静な態度に、芦原は津上に聞く―――と、オーヴァーロードが念力で芦原の脳内に直接話しかけてきた。
『君が来る前に、彼に一回話した』
(ああ、そういえば俺がここに来たのも津上に呼ばれてだったな)
『その時に一回キレた。今の彼は賢者モードだ』
(理由はわかったが、お前が真顔で賢者モードとかいうと腹が立つ。あと脳内会話してんだからこっちを凝視するな)
『あの、ちょっといいですか?』
『アギト・・・!?こいつ・・・直接脳内に・・・』
「あんた俗世に飲まれすぎだろ。息子が飲まれるのも当然だ」
とまあ、漫才はともかくとして、事態が重いのは変わらない。
「何故オルタはああなった?」
「彼は私が作りだした新たなるアギト。「光の力」から生まれたのがアギトなら、彼は「私」から生まれたアギトということになる」
その彼・オルタを世界に放ち、彼がこの世界で人類や様々な種族と共に生きていけるか。
オーヴァーロードは、その様、その行く末を見て見たいと思ったのだ。
現在、この世界にはさまざまな種族がいる。
そもそも、人間というだけでも能力のあるものないものとでわかれるほどなのだから、以前よりも多種多様さや軋轢は生まれる可能性が大きい。
結合してから約5年程。
そろそろ世界も安定し、そして同時に各派閥も安定するだろう。
以前に蒔風も言っていたことだが「体制を崩そうとする側」の者達もまた、安定してくるころだということだ。
その時期に、彼を投じてみた。
もしかしたら、新たな存在の彼が何かの架け橋になれるかもしれない。
なれずとも、彼がこの世界で生きていけるのならば、この世界に希望はある。
そう信じ、送り出した。
彼はまず、人間を見て回りたいと思った。
知識や思考は見た目相応だが、な
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