ペルソナ3
1929話
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は思ってもいなかったのだろう。
「それは……」
「苛めは我が校にはない! 桐条君、君も生徒会長であるのなら、学校の評判を貶めるような真似は止めたらどうだね」
森山が何かを言うよりも前に、と。
その言動を封じるかのように、江古田が告げる。
だが……その態度を見れば、明らかに何か後ろ暗いところがあるというのが明白だった筈だ。
当然桐条がそれに気が付かない筈もなく、不愉快そうに眉を顰める。
「江古田先生。一応聞くが、山岸風花が最近学校に来ていないのは何故だ?」
桐条の口から漏れた言葉に、江古田の表情は一瞬固まる。
だが、次の瞬間すぐに安心させるような――と自分では思っているのだろうが、実際にはゲスの極みのような――笑みを浮かべて口を開く。
「病欠に決まっているだろう」
「……ほう? 病欠か」
その言葉に桐条は森山に視線を向けるが、その森山は後ろめたいことがあるのか、すぐに視線を逸らす。
そんな森山の様子を見て、桐条は冷笑を浮かべつつ言葉を続ける。
「実は私は山岸と親交があってな。病欠をしているのであれば、今日の放課後にでもお見舞いに行く必要がある」
「なっ!? そ、それは……止めたまえ!」
桐条の口から出た言葉に、江古田は何とかそれを止めさせようとする。
そんな江古田を見て、桐条は軽蔑の視線を向けつつ口を開く。
「何故だ? 私は友人が何日も病欠をしているということで、お見舞いに行こうと思っているだけだが? 何故、それを止めようとする? 何か不味いことでもあるのか?」
「それは……」
ここにいたって、言い逃れは出来ないと判断したのだろう。
江古田は山岸は実際は行方不明で、それを隠すために山岸の両親と相談して病欠という事にしていたと白状する。
そうなれば、当然のように桐条は我慢出来ず……爆発する。
「この、無能が!」
大勢の教師がいる職員室の中で、1人の生徒に真っ正面から無能呼ばわりされるのだった。
さて、有里にこの件を知らせれば一体どうなるのか……ちょっと楽しみではあるな。
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