ペルソナ3
1929話
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一員だったような気がする。
だからこそ、有里と仲がいい俺と……そして俺と一緒にいる桐条に親切に教えてくれたのだろう。
「む、職員室に? 一応早めに来たつもりだったのだが」
「私達のクラス、1時限目は少し早めに終わったので」
「そうか。ありがとう」
桐条が笑みを浮かべてそう告げると、その女は頬を赤くして目を逸らす。
……おい、お前は有里のファンクラブに所属してた筈だろ?
そう思ったが……まぁ、桐条には一種のカリスマとかそういうのがあるから、そこまで不思議な事ではないのかもしれないな。
「では、アルマー。職員室に向かうか」
「分かった」
短く言葉を交わし、俺と桐条は職員室に向かう。
そうしてやって来ると……
「何でですか! あの2人はいなくなったんですよ! なのに、何で……それに、風花も……」
その瞬間、そんな声が聞こえてきた。
恐らく職員室の中に響き渡っていただろう。
だが、その声を聞いていた人物……江古田は、慌てたように口を開く。
「何か証拠がある訳ではないだろう。特に今の状況で騒ぐ必要はないと、そう言っているだけだ。……ああ、すいません。この生徒は見ての通り多少情緒不安定でして。全くもって困ったもんです。はははは」
そんな風に誤魔化す江古田だったが、情緒不安定と言われた方の女……俺も以前何度か見た事のある、森山は江古田を睨み付ける。
だが、江古田は自分がそんな風に睨み付けられているのに気が付いていないのか、今はとにかく場を誤魔化す方が先だと、慌てていた。
「あの生徒か?」
「ああ」
森山か? と尋ねてくる桐条に、小さく頷く。
それを確認した桐条は、俺を引き連れて江古田の席に向かって進み始めた。
「失礼、江古田先生。実は少しこの生徒に聞きたい事があるのだが」
「なっ!?」
自分に話し掛けてきたのが桐条だと知り、江古田は驚きで固まった。
森山の方も、桐条を見て驚き……そして更に俺の方を見て、より大きな驚きを露わにする。
まぁ、森山は俺と何度か会った事があるしな。
おまけにその時には大抵敵対的な態度を取っていたのを考えると、ここで俺と遭遇するというのは向こうにとっても完全に予想外だったのだろう。
「私に、何の用よ」
それでも驚きで動きの固まっている江古田はそのままに、森山は俺を……より正確には桐条を見て尋ねる。
「単刀直入に言おう。君は山岸風花という生徒を苛めていたな?」
その言葉は、間違いなく職員室の中に響いた。
そんな桐条の言葉に森山は黙り込み、江古田は何かを言おうとしては口を閉じる。
まさか、桐条に……そう、よりにもよってこの月光館学園で大きな権力を持っている桐条に、その事を知られると
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