ペルソナ3
1929話
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も顔を知ってると、いらない揉め事になる可能性もあるし」
「それを言うなら、俺が行っても似たようなものだと思うけどな」
この場合、下手に男が行くよりも女のゆかりの方がいいと思うんだが。
だが、ゆかりはやはり首を横に振る。
「桐条先輩も来るんだし、こっちからはアクセルが出た方がいいと思うのよ」
「……アルマー、どうだ?」
ゆかりの言葉に、桐条が俺に視線を向けてそう尋ねてくる。
別に絶対に嫌だって訳じゃないんだし、桐条とゆかりがそう言うのであれば、それは別に構わない。
「分かった。じゃあ、1時限目の休み時間になったら行くか」
そう告げると、桐条が安堵した様子を見せる。
別にここで俺が断っても、特に何も問題はないと思うんだがな。
「では、休み時間になったら私がアルマーの教室に行く。隣のクラスだったな?」
「ああ」
そんな訳で、朝の会議はその場で終わるのだった。
1時限目の授業が終わり、教師も職員室に戻る。
そうして休み時間になるのを待っていたかのように、教室の扉が開く。
「アルマー、いるな?」
いきなり教室に現れた桐条に、当然ながらクラス中の視線が集まる。
桐条は生徒会長であり、桐条グループ令嬢であり、成績は常にトップで運動神経も抜群と、まさに絵に描いたような完璧超人だ。
それでいて人を見下したような態度を取る事も基本的にはない。
そのような人物が現れたのだから、この反応は当然だった。
そして……こちらもまた当然ながら、その桐条が扉を開けると同時に名前を呼んだ俺に視線が向けられるのも、自然の流れだろう。
「ああ」
周囲からの視線をスルーし、桐条に軽く返事をすると立ち上がる。
……勉強会で教えて貰った友近が桐条に何か話し掛けようとするものの、今の桐条が持つ雰囲気からそれは止めておいた方がいいと判断したのだろう。
立ち上がり掛けるも、すぐにまた椅子に座っているのを目にする事が出来た。
そうして教室を出ると、俺と桐条は特に何も言葉を交わさず、隣のクラスに移動する。
こちらでも既に授業は終わっていたらしく、教室の中からはざわめきが聞こえていた。
そんな教室の扉を、桐条は一切の躊躇いなく開け、口を開く。
「森山夏紀はいるか?」
ここでも俺のクラスと同じように、いきなりの有名人の登場で生徒達の視線が桐条に集まる。
……あ、いや。視線の幾つかは俺にも向けられているな。
まぁ、俺の場合は何故桐条と一緒に俺がここに? といった視線なんだろうけど。
「あの、森山さんなら、授業が終わったらすぐに職員室に行きましたけど」
近くにいた女が、桐条にそう告げてくる。
この女は……有里のファンクラブの
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