愛しているから
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てナツさんたちの元へと駆け出したのだった。
第三者side
「ダメだったなー」
「え?何が?」
街の中心部から離れた、草木が生い茂るその場所でシェリアは残念そうに体育座りしている。
「ウェンディの前であたし1人でも大丈夫って見せたかったんだ」
「・・・」
シェリアはウェンディとシリルがギルドに残ると聞いた時、何とも言えないような表情をしていた。そして彼女から、いとこのシェリーがギルドを出ていって1人になってしまうことを心配していると知り、余計悲しくなった。
そんな時に今回の騒動が起き、自分に見せ場が来たと躍起になったのだが・・・
「でも、ナツにめちゃくちゃにされちゃった」
「ナツさんだからね」
2人して顔を見合わせ笑い合う。その笑い声が途絶えると、シェリアは寂しい気持ちを抑えながら口を開いた。
「ウェンディたちはナツと一緒にいなきゃダメだよ」
「え?」
「“愛”してるでしょ」
「えぇっ!?」
考えもしなかったシェリアの爆弾発言に顔を赤らめあたふたするウェンディ。
「そんな・・・私は・・・」
首をブンブン振って否定してから、1つ間を置いて、心を落ち着かせて話し始める。
「私にはシリルがいるもん!!ナツさんは・・・憧れとか・・・お兄ちゃんみたいな・・・」
恋人であるシリルが1番なのは間違いないが、ナツにもどこか惹かれるものを感じている彼女は、自分の中のその気持ちをよく考え、彼女に話してみた。
「それも“愛”だよ」
優しげな笑みでそう答える友人にキョトンとする。シェリアは昇ってきた朝日を見ながら、自分の考えを述べていく。
「行かなきゃ後悔するよ。ナツ言ってた、『妖精の尻尾は潰れない』。ウェンディとシリルを“愛”してるから、妖精の尻尾を“愛”してるからここまで来たんだよ」
帰ってきて早々にギルドの解散を知った彼は、誰よりも早く行動に出た。みんなを集めてもう一度、笑って騒いでケンカして、最高の妖精の尻尾を復活させたいとここまでやって来たのだ。
「私・・・」
ウェンディもそのことには気が付いている。それでも彼女は自分がどうするべきなのか迷っていた。
「素直になって、ウェンディ」
顔を俯かせる友の手を取り体を寄せるシェリア。
「ギルドが違ってもあたしたちはずっと友達」
「シェリア」
お互いの手を握り合わせ体を預け合う。2人は目を閉じると、相手の体温が伝わってくるかのようだった。
「友達だよ」
「うん」
微笑んでいるシェリアと涙を浮かばせながら彼女の指に自身の指を絡ませるウ
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