その二十三「季節外れの転校生」
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んの声がうっすら聞こえてきたような……スルーした方がいいのかな、みんなそうしているようだから。
青龍院さんの反応は、
「…………」
当然、無言。二人を見ていた視線もまた窓の外へと戻されてしまいました。
「リューイはどこから来たっす?」
「なに……そのあだ名……」
「駄目っすか? 青龍院だから、リューイっす」
「なんだか男の子みたいなあだ名だね」
「……男、みたいか」
あ! 青龍院さんが喋った! 正確にはひとりごとをぼそりと言っただけだけど、喋ったよ。良かったね、美希♪
僕たちの方を振り返った美希にガッツポーズで応援します。美希は苦笑い、手を軽く振ってくれたよ。
そこからの反撃は凄かったです、足田さんの質問攻めのラッシュがっ。マシンガントークっていうのかな、そうゆうの初めて見たよ。本当に弾切れすることなく言葉の弾丸ネタが永遠に感じられるくらいに打ち出されたんだよっ。僕にはそこまで喋れるほど言葉の弾丸ネタを持っていないから、すっごく羨ましいよ。
足田さんくらい話せたら、しーパイセンやめっしー先輩ともっと仲良くなれるのかな。弟子入りした方がいいかな。
「……………」
あっでも。一番凄いのはやっぱり青龍院さんかも。だって、マシンガントークの足田さんをずーーと無視し続けているから。すっと窓の外を眺めているから。すっごいよね、僕だったらあんな徹底した無視なんて出来ないよ、相手に申し訳なくて……。
「あと……もう少し……こけないように慎重に……」
「ドジラさん?」
起き上がったドジラさんが、平均台の上、サーカスの綱渡りの人、みたいな歩き方でのそりのそりと青龍院さんたちの元へ歩いて行っているよ。
……どうして、あんな変な歩き方をしているんだろ? あっちの歩き方の方がよけいに危ないような気が、
「キャアア」
「あ」
ドラドラガッシャーン!!
案の定、こけました。
しかも青龍院さんに突撃するような形で、頭から突っ込むような形で、ドジラさんと青龍院さん二人同時に椅子から転げ落ちてしまいました。
「だいじょうぶ、二人ともっ!?」
美希の席から見守っていた、僕と下級生くんは慌てて転げ落ちた二人の元へ駆け寄りました。
「チッ」
ドジラさんの下敷きになっている青龍院さんから、苛立ちの舌打ちが聞こえて来ました。わわっ……もしかしなくてもすっごく怒ってる??
「ぷっ」
「ほえ?」
ドジラさんの下敷きになっている青龍院さんは、片手で顔を隠して、小刻みに震えているよ。怒りで震えているのかとも思ったけど、
「ぷっ………くく……アハハッ」
そうじゃないみたい。眼尻の下に雫を付けて大笑い。
「も、もしかしてドジラさんがぶつ
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