その二十三「季節外れの転校生」
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す。そして、彼女の視線は僕の後ろ……青龍院さんに向けられているようです。
「どうしたの?」
「青龍院さんってどんな人?」
「んぅー、すっごく悲し気な人……かな」
みんなは首を傾げて頭の上にクエスチョンマークが浮き上がっている感じでした。
席に座ってからずっと窓の外を見つめている、青龍院さんをひとことでいうならやっぱり……
「なんだか寂しそう」
「やっぱりひっかさんもそう、思うっすよねっ」
「どうしたの、足田さん」
急に足田さんが「フッフッフッ」ってなんだかRPGゲームの魔王城にいるザコボスみたいな笑い方をし始めたよ?
なにか悪い物でも食べたのかな? だいじょうぶかな、保健室に連れて行った方がいいのかな?
「突撃っすーーー!!!」
「おぉーーー!!」
「お、おぉー?」
「あはは……」
「はぁーー」
腕を天井高く伸ばす足田さんとドジラさんを真似して僕も右腕をあげました。下級生くんは苦笑い、美希は俯き大きなため息をついていて……美希の、幸せが逃げたりしないか不安だな。
……とか思っている僕のことなんて眼中にない二人、足田さんとドジラさんは勢いそのまま、
「行くっすよ、ミッキー!」
「わっ、ちょ、引っ張らないでくださいー、自分で行きますからー」
「早くはやっ……キャッ」
美希の腕を掴み引っ張ってそのまま、青龍院さんの元へ突撃しちゃったよ……だいじょうぶかな、途中で転んじゃったドジラさん。顔から倒れちゃっていたけど、だいじょうぶかな?
すっごく心配です。足田さんの前にドジラさんを保健室に連れて行った方がいいかな。
僕の不安要素とは関係のない場所では、新たな不安要素が発生しているようです。頭パーン?
教室の中にドンッと大きな音が鳴り響きました。鳴らした犯人さんは、足田さんです。青龍院さんの目の前に立った彼女が机をドンッと叩いたから鳴った音でした、あんな強めに叩いて手は痛くないのかな。
「ミッキーひしゃい(いたい)」
「そうでしょうね」
……あ、やっぱり痛かったみたいです。あとで保冷剤とか借りにみんなで保健室に行かないと、だね。
「…………」
?杖を突いて窓の外を見ていた青龍院さんが蒼は動かさないで、目だけを動かして二人の方を見たよっ。睨んではいない……と思うけど眼力が強い、つりあがった眼尻からは睨まれているように見えるから不思議。
無言のまま二人を見つめているよ。ど、どうするのかな、この状況から……。
「自分っ足田っす! こっちはミッキーとこけているのがドジラさんっす」
「それあだ名だからっ!! 朱雀 美希です」
「ドジラじゃなくて……」
まずは普通に自己紹介。遠くの方からドジラさ
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