ペルソナ3
1928話
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「……そうか。アルマーでも駄目だったか」
「ああ。勿論俺が探している最中にすれ違っているという可能性は否定出来ないけどな」
桐条にそう告げるも、実際には探索はスライムで一斉にやっているので、すれ違うという事はまず有り得ない。
俺がスライムを使って探索しているのを見ていたかどうか……それを確認する意味でそう言ったのだが、桐条におかしなところは見られない。
これは、本当にこっちの様子を探っていなかったのか?
それとも、探っていてスライムを使っているのを知っていても、それを表に出していないだけなのか。
その辺りの理由は分からないが、こうして見る限りこっちを怪しんでいる様子はなかった。
はてさて、これも運が良かった……と、そう考えるべきなのかどうか。
「俺もって事は、やっぱり他も駄目だったのか?」
視線を周囲にエントランスにいる周囲に向けると、そこではゆかり、有里、真田、順平といった他の面子が落ち込んだ様子を見せている。
こうして見る限り、もし山岸を見つけた……もしくは何らかの手掛かりを見つけたのであれば、もう少し喜んでいてもよさそうなものだ。
勿論、見つけた手掛かりが山岸の片腕とか眼球とか、そういうのであれば、落ち込んでいてもしょうがないだろうけど。
「となると、私達の知らない場所にいるのか?」
「もしくは、封印されている40階よりも更に上か」
「……封印か。厄介な」
そう溜息を吐く桐条。
まぁ、16階の封印で随分と足止めを食らっていたのは間違いないからな。
「ともあれ、そうなると……どうするべきか、もう少し考える必要があると、そういう事だろうな」
呟く桐条の言葉に、俺は頷きを返すのだった。
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