第74話 四郷先生の恋愛教室
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ッキーだったわ」
……何も知らないままだったら、俺は久水を放ったまま、適当な寝床を探していただろう。結果、もっと彼女を苦しめていたかも知れない。四郷の話がホントなら、だけど。
――なんにせよ、自分のせいで苦しんでるだなんて言い方されて「知らねーよ」で片付けられるほど、俺は利口じゃないからな。初恋を弄ぶような感じ悪いジョークだったとしても、喜んで騙されてやるさ。
俺のクソキモい笑顔を見せられた四郷は、見るに堪えなかったのか珍しく目を見開いて、すぐにプイッと顔を逸らしてしまった。チョーシ乗りすぎですか、そうですか。
「……そんな顔でそんなことばっかり言うから、『つみつくり』なのに……」
「うぃ?」
「……何も言ってない。詮索したら殺す……」
「い、イエッサー!」
どうやらキモい顔を見せられたためか、ご立腹らしい。少々赤い顔で静かに怒りながら、拳をゆっくり振り上げている。
何をしでかすかわからない以上、逃げるが勝ち。俺は素早く敬礼しつつ、その場を緊急離脱するのだった。
向かう先は……もちろん、久水の部屋。
どうなるかはわからないが――今はとにかく、行くしかない。きっと、行かないよりはマシなんだと信じて。
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