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フルメタル・アクションヒーローズ
第72話 女湯強襲揚陸
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るかのどちらかだろう。

 ……だいたいこんな時って、全員から袋だたきにされるのがオチなんだよな。アニメや漫画では大概そうだ。
 それで許してくれるなら万々歳ではあるが――この状況で、そんな願いが通るはずがない。
 婚約は破棄。刑務所行き。翌日の新聞に取り上げられる。ザッとこんなとこだろう。キャーキャー言いながら殴られて終わりだなんて、エロゲーじゃないんだし。
 ……殺されなかったばかりか、男湯まで殴り飛ばされるだけで済んだ茂さんの方が、遥かにマシだったんじゃないか?

 声は後ろの方から聞こえていて、俺はお湯に顔を突っ伏してブクブクしてる状態だ。いっそこのまま、潔く自害(溺死)でもしてやろうか。
 ……と、自棄になろうとしていた時。

「もぉ、龍太ってホンマに変態さんなんやから……。そ、そんなに一緒に入りたいんやったら、ちゃんと言ってくれたらええのに……」
「……この人のことだから、許してくれないとでも思ってたんでしょうね。全く……」

 ――第六感が、超必死に警鐘を鳴らしていた!

 茂さんがダイブした時とは、まるで異質な雰囲気だが……なぜだろう。寄ってたかって殴られるよりヤバい何かが始まっている気がする。
 このままだと、何が起こるんだ? 起きてしまうんだ!?

「い、一煉寺の背中、腕……思ってたより、ずっと、逞しいざます……」
「……梢、顔が真っ赤……」
「えっ!? ち、違うざます! 誰もあんな力強い腕に抱かれて、征服されたいだなんて一言も……!」

 数秒ごとに、警鐘がより激しく危険を訴えて来る。なんだ!? もう何かが起きてるのか!?

「さっきから全然動く気配がないけど……気絶してるのかしら……?」
「つ、つまり、チャンスということでして……?」
「……アタシはやるで! ここで行けんかったら、女が廃るけん!」

 ――なんだ! 彼女達は俺に何をしようとしてるんだ!?
 俺は、俺はどうなってしまうんだ!?

「じゃあ……私も」
「ワタクシもざます!」

 背中越しに感じる警報は、もはや最高潮に達している。何が起きているのか、起きようとしているのか。
 それがわからないまま、何か柔らかいものが俺の皮膚に触れ――

「ぎゃああァァァァ! やっぱ怖いィィィッ! いやァァァァッ!」

 ――恐怖心に全身を支配された俺は、その瞬間に壮絶な悲鳴と共に、湯舟を飛び出した!

「きゃあっ!?」
「りゅ、龍太が起きたっ!?」
「い、いいところで起きるんじゃないざますっ!」

 久水が何のことで怒ってるのかは知らないが、とにかく今は逃げ出したい。なんだかんだ言っても、予測不能の恐怖に堪えられるような覚悟なんて、今の俺には持てないッ!

 後ろでは、生まれたままの美少女四天王が
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