第72話 女湯強襲揚陸
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モリかあんたは!?」
俺がその性欲剥き出しな態度に辟易した瞬間、茂さんはバッと俺の手を蹴りで払い、カサカサと壁をよじ登って行く! 爬虫類も裸足で逃げ出すスピードだ。
だが! 彼の好きにさせるわけにも行かない。俺も壁にしがみつき、なんとか追いつこうと足をタイルに引っ掛けていく。さすがに茂さんのようには行かないが、少しずつ天井に向かって進みはじめた。
「く、くそっ! ちょ、待てッ!」
「ケーケケケケ! 待てと言われて待つかボンクラがァァァッ! ナニがなんでもぷりぷりの天使達をめちゃめちゃにしてやらァァァッ!」
もはや正気を疑うレベルにまでブッ壊れている茂さん。俺の制止など聞き入れるつもりはないらしく、あっという間に仕切りの終わりに到達してしまった。
「ヒャッハァーッ! ついにここまで来てしまったぁーッ! ワガハイの遥かなるエデ――ングフゥッ!?」
――しかし、彼の命運もそこまで。壁から顔を出すだけでは飽き足らず、その上に両足を着けて立ち上がったがために、待ち構えていたかの如く飛んできた桶を食らってしまったのだ。
あんな大声で変態アピールをして、仕切りの上に登る。そんなことをして、見つからないわけがないのに……。
「ふんッ! お兄様の考えることなど、壁越しにお見通しざます!」
「サイッテー! やっぱ女の敵やなッ!」
「そんな卑怯なマネをするなんて……求婚を断って正解だったわね!」
「……後で殺す……」
おぉふ……みんなして散々な言いようだ。因果応報だとは思うけど。
あと四郷、お前が「殺す」とか言い出したら、冗談に聞こえないからやめれ。
「ふ、ふひひ、ふほほぉ〜……」
一方、茂さんは顔面にプラスチック製の桶をブチ当てられながら、至福の表情で鼻血を噴き出している。あんた漢だよ……ある意味では。
……だけど、かなり手痛い一撃であることに間違いはないらしい。両足で壁の上に立ったまま、ふらふらと前後に揺らめいている。
――こ、これは男湯か女湯、どちらかに落下するパターンかッ!
もし、どっちに落ちるかを本人がある程度制御できるとするなら、間違いなく女湯にダイブするはず。そんな追い撃ちになるようなマネを許したら、マジでバラバラ殺人でも起こりかねんッ!
「くっ……待て茂さんッ! 早まるな! あんたの人生は……まだ、まだ終わっちゃいないはずだッ! 命の残り香は、欲望を正当化する免罪符にはならないんだぞ!」
「ふひゃひゃひゃい……楽園だぁ……エデンだぁ……おっぱいだぁ……」
――ダメだこいつ、早くなんとかしないと。
俺はなんとか彼の身柄を男湯側に引き戻すべく、必死にタイルを蹴って壁をよじ登る。よ、よし、なんとか追い付いた!
「……ムァイハニィーッ! エ
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