暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第71話 ぷるるんおっぱいが俺を呼ぶ
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冑は別に戦闘用じゃ――」
『……あくまで一環としてなら、十分に有り得る。最低限の自衛能力は、双方とも必要としているからな』
「そ、そうっすか。……まぁ、茂さんくらいの人だったら簡単に負ける気はしませんし、そうでなくても、出来るだけのことはやるつもりです」

 それを自信と呼べるのかは別として、意志としてはそんなところだ。ここまで来といて、「やっぱ怖いんでやめます」とか言える空気でもないのは、自明の理である。

『うむ。そう言ってくれると、私も信じていた。甲侍郎が、婿に見込んだだけの男ではあるな』
「なぁっ!? 甲侍郎さんと知り合いなんすか!?」

 ……思わぬ繋がりがあったもんだ。そりゃあ、娘のケータイ事情も聞かされてるはずだわ。

『彼とは旧知でな。……まぁ、そんなことはどうでもいい。とにかく、今回の用件は、今の君の意志を聞きたかったというだけだ。いい答えを聞けて、満足している』
「そ、そうですか? まぁ、俺に出来ることなんてたかが知れてますけど」

『そんなことはない。むしろ、この国の未来は君の手に掛かっている、と思って欲しいくらいなのだ。明日中には、四郷研究所に向かって頂きたい。――君の、君達の健闘を、祈る』
「え? ちょ、伊葉さんそれってどういう――」

 ――あれ、切られちまった。……日本の未来が、掛かってるって?

 最後の方では、なんだかまくし立てるような声色になってたけど……今度のコンペって、そんなに国の大局に関わるモンなのか?
 なーんか、俺の知らないところでいろんなことが起こりまくってるって感じがするなぁ……。普通なら、あんなスケールのでかい話を持ってこられても、「胡散臭い」って笑い飛ばしていられたのに。
 ――今じゃ、全部が大マジだと信じざるを得なくなってる。俺が直に関わっていた「着鎧甲冑」の技術が、世界中に影響を与えようとしてるのは事実なんだし。

 ……だけど、それに付いて行けるほど強い人間になったって気はしない。周りの状況だけが際限なくエスカレートしていくのに、俺一人だけが何も変わってない。
 多少、護身術の腕は以前より上がってるのかも知れないが、それでも周りの変わりように比べれば、微々たるものだろう。

 伊葉さんにはあんなコト言ったけど、正直言うと、不安はある。
 俺の力で、どこまで届くんだろう。どこまで、付いて行けるんだろうか。この、端っこの見えないスケールの世界に。

 一人で考えていても答えなんて出ないはずだし、その時が来ないと本当のところはきっとわからないだろう。
 頭ではそう理解していても、心のもやもやをそんな割り切りで解決するには、いささか時間が必要だった。

 ――だが、俺にはその「時間」すら許されないらしい。
 ドンドンと部屋の扉を叩く音が、俺の
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