暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1927話
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
? もしタルタロスにいるのなら、それこそもうとっくに……」
「待て、明彦」

 真田の言葉を、桐条が咄嗟に止める。
 何だよ? といった視線を向ける真田に、桐条は考えながら口を開く。

「タルタロスは、影時間の間しかこの世界に存在しない。それは分かるな?」
「ああ」
「ならば……影時間ではない時、タルタロスの中はどうなっていると思う?」
「それは……」

 言葉に詰まる真田。
 まぁ、無理もない。基本的にタルタロスにいるのは影時間だけで、影時間が終わった後にタルタロスの中にいるという事は、ないのだから。
 ギリリ、と。有里が歯を噛みしめる音が周囲に響く。
 普段は冷静というか、どこか冷めたところもある有里だったが、山岸のような親しい相手がいなくなってしまうのは、許せないのだろう。

「今日、タルタロスに行ってみるか。上手くいけば、タルタロスで山岸と合流出来る可能性もある」

 俺の呟きに、全員の視線が集まる。
 それでも誰も嫌だと言わないのは、山岸を心配しているからだろう。
 だが……一般人がタルタロスの中で数日の間いるというのは、正直なところ絶望的だろう。
 ましてや、山岸のあの性格を考えれば、余計に。
 そんな思いを抱いているのか、ゆかりが心配そうにこっちに視線を向けてくる。
 しかし、その言葉に安堵するように笑みを浮かべたのは、桐条だった。

「安心しろ……と言っても、気休めかもしれんがな」
「桐条先輩?」

 桐条が何を言ってるのか分からない。
 そんな視線を向けるゆかりに、桐条は安心させるように笑みを浮かべる。

「先程も言ったが、タルタロスが出現しているのは、あくまでも影時間の間だけだ。つまり……タルタロスの中では、実際に出現している間しか時間が経っていない事になる筈だ。勿論、しっかりと確認した訳ではないので、恐らくという言葉がつくが」
「つまり、山岸はまだ生きてるって……そういう事ですか?」

 確認するかのような有里の問いに、桐条は頷きを返す。

「もしかしたら、という可能性だがな。それでも1日中タルタロスの中にいるよりは、随分とマシな筈だ。それに、エントランスにいるのであれば、特にシャドウに対する心配はいらない筈だし」

 あー、なるほど。
 エントランスでは、シャドウが姿を現す事はない。
 だが、タルタロスの中を逃げ回っていて、それでエントランスに到着したのであれば、問題はない。シャドウ怖さに、エントランスの中でじっとしてるだろう。
 ……もっとも、シャドウがタルタロスから外に出ている方法が未だに不明である以上、もしかしたらシャドウがエントランスを通ってタルタロスの外に出ているという可能性は決して否定出来ないのだが。
 また、最初にエントランスに姿を現した
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ