第67話 ムカムカしたら即決闘
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きらびやかなシャンデリアに照らされ、白いマットに包まれたテーブル。
幅五メートルはありそうなその長方形を囲む形で、俺達は全員席についていた。その後ろには、数少ない久水家の部下達が突っ立っている。
どうやら使用人はほんの数人しかいないらしく、いかにも「セバスチャン」って呼ばれてそうな白髪の男性を除けば、執事と思しき彼が従えているメイドが、わずかに控えているくらいだった。……まぁ、こんなご立派な屋敷でも「別荘」に過ぎないってんなら、こんなもんなのかも知れない。
この久水邸、実は空輸で部品を運んで組み立てたものらしく、裏手にはヘリポートまで設けられていた。
……だから陸路があんな大自然状態だったんだな。グラサンのオッサン、大丈夫かな……。
――それから、この会食室も大概だが、ここまで道のりも、まるで中世ヨーロッパのお城みたいな景色が広がっていた。廊下を歩くだけで、異世界冒険譚にでも乗り出してしまったのかと錯覚するほどに。
そして、そんな別世界に居座る中で、俺は昼食と平行して、自分と久水の関係性を白状させられていた。それも、本人含む全員の前で。
向かいに座るご本人は頬を紅潮させたまま俯き、その右隣にいる茂さんは「妹に近寄る悪い虫」という目で俺を睨み、左隣の四郷は、真顔で俺の話に集中していた。
……そして、俺の両脇に当たる席に座っている救芽井と矢村は――
「『こずちゃん』って、『こずちゃん』って……!」
「ア、アタシら、名前で呼ばれたこともないのにぃ……!」
――なんだかご機嫌ナナメの様子。二人とも面白くなさそうな表情で、久水と俺を交互に睨んでいた。
そりゃ確かに面白い話でもないけどさ……そんな怒んなくたっていいじゃないの。
「ふん、なんという浅ましい男だ。妹をたぶらかした上、樋稟まで……!」
一方、茂さんも腹立たしげに俺を睨みつけている。片思いの相手を取られた(ということになってる)ことに加え、妹にまで手を出された、という二重苦に見舞われてることを考えれば、まぁこっちはわからなくもない。
……それでも、変に因縁を付けられるのは勘弁してもらいたいところなのだが。
とまぁ、いろいろとめんどくさい事態に直面している俺なのだが。
それ以上に一つ、大問題な部分があるわけだ。それは――
「……とは言え、これから戦う相手に不完全なコンディションで挑まれても、ワガハイとしては不服だ。ゆえに食事はきちんと提供しよう」
「これが、きちんと、か……!?」
――メシの量がシャレにならない、ということだ。
因縁を付けられてメシを出されない、なんて恐ろしい展開にはならなかったものの、これはこれでえげつない。明らかに、隣にいる二人の分の数倍はある。
やたら分厚いステ
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