第67話 ムカムカしたら即決闘
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、ちょっと羨ましい……。
後ろから、俺を気遣う二人の声が聞こえて来る。が、こればっかりは譲れそうもない。
「い、一煉寺……。あなた、本当にやる気ざます?」
すると、今まで高飛車な言動ばかり繰り返してきた久水までもが、珍しく気にかけてきた。今日は雪が降りそうだな。
「あぁ。お前のお兄様には悪いが、一応勝たせてもらうつもりだ。こうしなきゃ、俺が一番納得出来そうにないんでね」
「そう……ざますか」
「心配すんなって。少なくとも、簡単に負けるつもりはないからさ」
「し、心配なんてしないざますっ! あなたなんか、無様に敗北を喫すればいいんざますっ!」
久水は顔を真っ赤にして俺を怒鳴り付けると、兄の方へと駆けていく。なんかアイツ、俺のことを思い出してから、風当たりがハンパなく強いんだよなぁ……。ま、わかってくれたならいいか。
ここから先は、男と男の真剣勝負ってヤツなのかも知れないからな。
きっと、誰の介入も許せなくなるような大喧嘩になることだろう。だから――
「こんのハゲルッ! 救芽井さんが『誰よりも麗しく、気高い』ですってえぇ!? このワタクシを、お忘れざますかぁあぁああぁあッ!?」
「ひぎぃぃい! ワガハイのかわゆい梢よぉおぉお! 許しておくれえぇえぇえッ!」
――兄妹揃って、この空気をブチ壊さないでくださる?
しかもハゲルて……久水、この数年間でお前に何があったんだよ……。
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