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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
スパイズの最後
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ても生き延びた高円寺は、海の中に落ちてそこから下水道に入っていく巨大な横穴に這い上がっていた。



しばらく咳が止まらず、四つん這いになっていろいろなものを吐き出しながら何とか身体全部をコンクリートの上に引き上げる高円寺。
だが、同時に彼の中には苦しさと同等の喜びがあった。


確かに自分は負けた。
だが彼にとって勝ち負けはどうでもいい。



「結果的に、ミラーワールドが活性化すればいい・・・・」

そして自分の中のもう一人、好戦的なミラーワールドの自分も、これで幾分か満足しただろう。そんな気がする。




これでまた、自分の研究を推し進められる。
ライダーデッキのデータはあるから、また作ればいい。

まあ、またディスパイダーを探すという手間はかかるが。


(でも別にあのモンスターじゃなきゃダメってわけじゃないんだよな・・・・いや、でもあそこまで追求したんだし・・・・)


と、そんなことを考えながら、腰を下ろして一呼吸取る。
ズボンと海藻とが当たってべちゃりと言う嫌な音と感触がするが、まあ今は目を瞑るとしよう。



彼の顔には笑顔が浮かんでいた。




言っておくが、彼は決して悪人ではない。
戦闘の方向に若干暴走の気はあった者の、戦いだけでいい、というほどの強いものでもなかったからだ。

まあ、その域に行くより早く龍騎に倒された、というのが正しいのかもしれないが。


結果的に、彼の目的である「研究」が進めばいい。
というわけで、ライダーバトルに負けようなんだろがどーでもいいのである。



「さて、帰るか―――――」


そう言って、とりあえず鏡面から向こうの世界に入るため、何かガラス片でもないかと見回す。
だがここは海に面した排水溝。錆びた鉄ならいくらでもあるが、姿を映すような鏡面はない。

泳いで出ようにも、そんな体力はない。溺れてしまう。



「しょうがない・・・・奥に進む、か」

先は暗いが、下水口の中を進んでどこかから地上に出るしかないようだ。
そうして少し踏み込むと、一気に中は暗くなっていく。


もともと日も落ちかけていたので、奥ほど真っ暗だ。
だがミラーワールドを闊歩してきた彼だ。今更暗闇にビビるわけもない。

小さいライトなら持ってるから、これくらい暗いのは大丈夫。



だが、今回に限ってはそのライトがまずかった。



「点くかな・・・・っと、さすが防水性」

パチっ、と懐中電灯をつける高円寺。



さて、暗闇でライトを付けるとどうなるか。

無論、明るくなって周囲が見れる。
それは大きな利点だ。だが、もしそこに兇暴な、それこそ命を吸い上げるかのよ
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