三話
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」
「いいの?やったぁ!」
少し残念そうではあったが、それでも遊んでもらえるとわかると小さな体をぴょんぴょんと跳ねて嬉しそうにしてくれた。
朱乃の小さな手で私の手を握ると早く早く外に行こうと急かしてくるため、はいはいと朱乃についていく。
朱乃としばらく外で遊んでいると、なにやら変な人たちがこちらに歩いてきた。
「お前は姫島家の人間か?」
「ええ。そうですが。あなたたちはいったい……?」
「そうか。それはよかった。姫島家は不思議な力を持つと言われている。さらに、バラキエルとの子はそのハイブリッド。後々私たちの脅威になることは明確だ」
「っ!朱乃逃げなさい!」
「させねぇよ」
「きゃあっ!」
男の一人が私の隣で怯えていた朱乃を殺そうとしていたので、急いで逃げるように指示をした。
だが朱乃が動く前に男の一人が私に剣で攻撃してきた。なんとか避けてかすり傷ですんだが、体勢を崩してしまい倒れてしまった。
「お母さん!」
「大丈夫よ朱乃。大丈夫。大丈夫だから……っ!」
私が傷ついたせいだろうか。それとも恐怖のせいか、両方だろうが、泣きながら震えるその体を、安心させるように包み込む。
「私たちが一体なにをしたというんですか!」
「ふん。さっきも言っただろう。姫島家は不思議な力を持つと言われている。お前の夫のバラキエルは堕天使の重鎮。そして、その二人の子どもであるそこのガキは危険視されるほどの力を持つことは、想像に難しくはないだろう?」
「私たちはただ平和に暮らしたいだけなんです!なにもしません!」
「いまはそうかもしれない。だが未来はわからない。もしかしたら、俺たちの脅威になる可能性もある。だから脅威になる前に排除するのだ」
「私はどうなってもいいから……。せめて……せめて、朱乃だけは……っ!」
今まで喋っていた男、おそらくこのリーダーなんだろう。リーダーが周りの男たちに目配せすると武器を取りだし、私たちを始末しようと準備しだした。
「お願い……します……。どうか……」
「お、お母さん……」
これから来る死を覚悟しながら目を瞑り強く朱乃を抱きしめる。なるべく朱乃には男たちの無慈悲な攻撃が当たらないように。
あなた、ごめんなさい。私はもう……。
「いってぇぇぇええええっ!」
「いっっっっっ!???!」
「おい!大丈夫か!?なんだこの坊主は!!」
「急に飛んで来たぞ!」
なにやら男たちが騒がしい。それに痛みもなにも感じない。不思議に思いながら目を開けると、リーダーであろう男と、金髪よ男の子が頭を押さえて悶絶していた。
朱乃も呆気に取られて目の前の状況がわからずしばし呆然としていた。
「いちちち。目の
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