三話
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「……俺を、だっ、抱っこしろ。それで怪しまれても誤魔化せるんじゃないか?」
「うふふ。ライザー様、顔を赤くして可愛いです。それでは、抱っこしますので、失礼します」
俺の身長は発育が遅いせいかユーベルーナの胸辺りまでしかない。普段なら早く伸びろと思っているのだが、今の状況では、発育の遅さに感謝だ。お腹に当たる胸の感触と来たら。やわらけぇ……。
そんなことを思いながら俺を軽々と抱っこして、赤ん坊をあやすようにしながら神社前にいるやつらを監視する。
すると、俺たちが来た方向から一人の男が走ってきた。
神社前のやつらと合流するとなにやら話し込んでいる。
「なにを話しているんだろうな?」
「わかりませんね。もう少し近ければわかりますが、そうすると危ないですし」
少し距離があるため、なにを話しているか聞き取りづらい。話終えたやつらは神社に向かうための階段を上がり始めた。
「あいつら神社に向かいだしたぞ」
「もしかしたら今現在、バラキエルが神社にはいないのでしょうか?」
「その可能性があるな。後をつけよう」
俺たちも階段を上り始める。
結構続く階段を上がっていき、ようやくゴールが見えるとなにやら騒がしい。
女性と男たちが言い争っているのが聞こえてくる。
「ユーベルーナ、俺を降ろせ!ユーベルーナは待機。もし、朱璃と朱乃が危なくなったら不意打ちをかましてやれ」
「はい」
俺の足が地面についた瞬間、階段を駆け上がる。全て駆け上ると、数人の男たちが少女に被さっている女性を殺そうとしていた。
「死ね!」
「俺のくせにタイミングよすぎだろ!ユーベルーナ俺をあいつに向かって投げろ!」
「わ、わかりました。失礼しますっ!」
躊躇することなく、ユーベルーナは俺の首根っこを掴んで指をさしたやつに投擲。
素晴らしいコントロールで俺はとあるゲイ・ボルグのように敵に向かって一直線。見事、外れることなく、俺の頭と女性を殺そうとしていたやつの頭とごっつんこした。
「いってぇぇぇええええっ!」
「いっっっっっ!???!」
「おい!大丈夫か!?なんだこの坊主は!!」
「急に飛んで来たぞ!」
────────
「すまん。呼ばれたから少し出てくる」
数分前。そういって、バラキエルが仕事にいってしまった。
私の夫であるバラキエルは堕天使で、重鎮に身を置いてあるためよく急遽呼び出されることも多々ある。
仕事だし、仕方ないとは思っていても感情の部分では納得できない。
私たちの愛の結晶である朱乃もお父さんと遊びたかったようだけど、仕事に行ってしまったとわかると、遊びたい!と駄々をコネ始めてしまう。
「お父さんはいないけど私と外で遊びましょう?
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