第56話 高飛車お嬢様と眼鏡ロリ
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強調されているようにも見えてしまう。
下手をすれば、救芽井以上かも知れない。あの揺れを矢村が見たら、嫉妬を通り越して殺意が湧いてしまいかねないぞ。
そんな危ない印象をのっけから与えているこの少女だが、その隣にいるもう一人の女の子も、相当な美少女のようだった。
サファイアを思わせる水色を湛えた長髪を、滑らかなサイドテールに纏めて右側に垂らしている。その一方で、瞳の色は燃え滾る炎のように紅い。
人生のほとんどを、屋内で過ごしてきたのかとさえ思うほどの、真っ白な肌。恐らく、今まで見てきた中で一番白いぞ、この娘。
顔立ちは、すぐ傍でやたら荒ぶってるお嬢様(?)に負けないほど整ってはいるが、その表情のなさは、さながらアンドロイドのようだった。黒い丸渕眼鏡を掛けているのも手伝って、どことなく冷たい印象を受ける。
身長は……矢村より少し小さいくらい、かな。胸は――仲間が増えるよ! やったね矢村ちゃん!
……それはさておき、黒のTシャツに青いミニスカートという些か地味な格好だ。隣にいるお嬢様星人とは、明らかにタイプが違うと思うが……なんで一緒にいるんだろうな。
さっきは彼女に合わせて、無表情に加えて棒読みながらも、同じ笑い声を上げていた。もしかしたら、仲良しなのかも?
……って、いやいや、そこは今問題じゃないだろう! 彼女達の何にハッスルしてんだ俺は!
――この光景は、正直なところ信じがたい、が……まるで、この二人がのしてしまったかのような絵面だ。
俺はまさかと思い、右手の腕輪のスイッチを押し込み、救芽井に通信を繋げる。
「なぁ、もしかして今の赤点……」
『……うん。青点に戻ってる……。そこにいる人が、やっつけたってことなのかしら』
マジかそりゃあ。てことは結局、今回は俺いらなかったってことじゃねーか。
「フフフ。しかし鮎子が路上で『力』を使おうとした時は、実に焦ったものざます。危うく、一般人に見られるところでしてよ」
「……梢に悪いことしようとしてたから、なんとかしなきゃって、思って……」
フムフム、どうやらあのおっかなそうなお嬢様は「梢」というらしい。で、あの眼鏡ロリが「鮎子」、か。
……ん? お嬢様で「梢」って、まさか……!?
「あら? ちょっと、そこの庶民! お待ちなさいな」
別に逃げる気なんてなかったのだが、背を向けて考え込んでいたから、逃げ出す気でいると思われていたらしい。
梢という少女は俺にビシッと指差し、有無を言わさぬ眼光をぶつけてきた。その影には、鮎子と呼ばれた少女が小さく隠れている。
「その姿……見たことはありませんが、着鎧甲冑の一種でざましょ?」
「そ、そうだけど……よくわかったな」
なんだかよくわか
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