第56話 高飛車お嬢様と眼鏡ロリ
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
一望した。
「救芽井、交差点についたぞ! 正確な場所は!?」
着鎧する前と変わらず、俺の右手に巻かれている腕輪に話し掛けてみる。しかし、返ってきたのはやや困惑した声色だった。
『ちょっと待って! 微妙に赤点の場所が移動してるわ!』
「移動? ……じゃあ、別に車に撥ねられたりしてるわけじゃないのか」
場所を移せるくらい動いてる、ということは、そのくらいは元気ってことなんだろう。そう思うと、不謹慎ではあれど少し安心してしまう。
――だが、そんな束の間の安堵も、次の瞬間には消し飛んでしまった。
『これは……路地裏!? 龍太君、あなたが今いるビルから、右に七軒進んだ先の路地裏よ!』
「――路地裏だって!?」
そんな物騒なワードから推測される展開は、ただ一つ。
俺は救芽井の指示に条件反射で服従し、目的地で起きていることを想像する時間も惜しんで、ビルからムササビのようにダイブした。
片膝と両手をつく格好で着地すると、そこからクラウチングスタートの要領で駆け出していく。
一軒、二軒、三軒……と、うっかり通り過ぎないように正確にビルの数を呟きながら、俺は先刻の路地裏を目指した。
そして、いよいよ例の場所にたどり着く。
俺は足が焦げそうなくらいの摩擦を起こしながら、そこの目前にブレーキを掛けた。
「この先で間違いないんだな!?」
『え、ええ。だけど――』
今は救芽井の発言の先を聞く猶予もない。俺は彼女の言葉が終わるよりも先に、薄暗く狭い路地に飛び込んだ。
――そして、絶句してしまう。
「フォーッフォッフォッフォッ! ワタクシ達に狼藉を働こうなどとは、愚鈍の極みでざます! さすがは何もない田舎のグズ男共ですわねぇ!」
「ふぉーふぉっふぉっふぉ〜……」
見るからにガラの悪い、ヤクザのような男達に襲われていた――と思われていた、二人の少女。
彼女達の足元には、その厳つい男達が生ゴミのように転がっている姿があったのだ。
まるで某宇宙忍者のような高笑いを上げているのは、茶色のロングヘアーの巨乳美少女。年頃の女の子にしては、少々口調がアレな気がするが。
艶やかな唇に、救芽井に通じる高貴さを持つ色白の肌。翡翠色のつぶらな瞳に、彫像よりも整い尽くされているかのような目鼻立ち。
やたら大仰な口調と、高価そうな日傘で倒れている男をバシバシ叩いている姿を見ると、あんまり想像しにくい――というかしたくないのだが、おそらくどこかの金持ちお嬢様なのだろう。
だがそんなことより、あの巨峰はなんだ。エベレストか、チョモランマか。……いや、どっちも同じか。純白のブラウスと、淡い桃色のタイトスカートを履いているのだが、ブラウスがノースリーブなおかげで、いろいろとアレが
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ