第1章 ドラッヘンファイヤー登場
第51話 部活作りはラノベの華
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。中学の時から思ってることなんだが、なんでこいつらこんなに仲が悪いんだ……?
「ふふ、矢村さん。残念だけど、私も絶対に彼だけは譲れないのよ。龍太君はもう、あなたみたいな一般人と釣り合う存在じゃないんだから!」
「なんやってぇ!? そ、そんなん、アタシらには関係ないけん! あんたこそ後から出てきて、龍太を誘惑しようなんて無駄やけんな! なにせアタシと龍太は、中学からの付き合いなんやから!」
「昔の過ごした時間なんて、何の意味も成さないわ! 過去にしがみつくことしかできないあなたにだけは、私は絶対に負けない!」
「なんやと!?」
「なによ!?」
……あー、ちょっと待てよお前ら。なんか夏の暑さに頭やられてないか?
何の話でそんなに張り合ってんだよ……つーか、俺だけあからさまに蚊帳の外なんだけど。
俺には用無しですかそうですか。グスン。
「ふん! あなたの彼と過ごしてきたキャリアは認めてあげるけど……結局、愛は早い者勝ちなのよ! さぁ龍太君、校長先生に創設許可を取りに行くわよ!」
「え? え? うおわぁぁあッ!?」
救芽井はかつて格闘術で鍛えていた駿足を活かし、素早く俺の手を引く。その衝動で矢村のヘッドロックからすっぽ抜けた俺は、そのまま彼女に引っ張られていった。
「なっ……! 卑怯やで救芽井! 待ちぃやあああぁっ!」
しかし、生来の負けず嫌いでも有名な矢村。何の勝負をしているのかはさておき、このままやられっぱなしで終わるわけがない。
俺の手を引きながら廊下を疾走する救芽井目掛け、陸上部顔負けのダッシュで猛追してきた!
「やるわね……! さすが龍太君の元恋人!」
「待て救芽井ィィ!? お前は何か重大な勘違いをしているゥッ!」
「救芽井ぃぃっ! 龍太の貞操、返せぇぇぇっ!」
「矢村の方が遥かに深刻だったァーッ!?」
――こんな大騒ぎをしながら廊下を爆走しても、お咎めがないのは学校自体がガラガラなおかげだろう。どこの部活もまだ練習は始めていないようだから、聞きつけられることもない。
俺は二人のえげつない勘違いに頭を抱えつつ、せめて今日だけは無事に一日を終えられることを切に願うのだった。
……既に無事じゃないかも知れんが。
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