ペルソナ3
1926話
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ポートアイランド駅の裏側。
俺がこの世界に来た時から暫くの間は結構顔を出していたし、今でもタルタロスに行く時はここで荒垣を拾っていくし、ここに置いていく。
だが……考えてみれば、夕方から夜に掛けての時間帯といった頃に来た事は殆どなかったように思える。
ましてや、最近の俺の生活空間にここは入っていなかった。つまり……
「ああ、んだこら。こんなガキが俺を相手にどうすってんだよ! ああ?」
もう初夏に近い時季にも関わらず、ニット帽を被っている男が俺を見て睨んでくる。
うん、分かってた。
そもそもこういう場所に来る奴の移り変わりというか、入れ替わりというか、そういうのは結構頻繁にあったりする。
もしくは、その日によって来たり来なかったり……といった具合に。
そうである以上、俺の事を知らない奴がいてもおかしくはないのだろう。
「いや、だからっすね。その、俺達話をちょっと聞かせて貰えれば……」
何とか無事に話を収めようと、下手に出るが……こういう不良を相手に、その選択は失敗だぞ。
「髭帽子は黙って……ろ!」
「ぐぅっ!」
ニット帽の男の隣にいた、ドレッドヘアとかいうのか? 編み込みをしている髪の男が、順平の腹を殴る。
「きゃー、いいぞー! もっとやれやれ−!」
「髭君、格好悪いぞー。もうちょっと男を見せなよ」
「しょうがないわよ。だってあの髭君、童貞臭いし」
「うわ、風呂に入って童貞臭さを洗い流してこいって感じ」
「そうよね。何だかベッドでも早そうだし」
腹を殴られて地面に転がった順平を見て、少し離れた場所にいる女達が野次を飛ばす。
順平は、腹を殴られた一撃より、その野次の方に大きなダメージを受けたらしい。
精神的なショックから、立ち上がる様子はない。
しょうがない。やっぱり俺が鎮圧して、適当に話を聞く必要があるか。
そう思いながら前に出ようとしたのだが、それよりも前に動いた奴がいた。
「ちょっと、いきなり何をするのよ!」
それが誰なのかというのは、考えるまでもない。
ここに来たのは3人で、そのうちの1人は順平で地面に蹲っている。そして俺はまだ行動に移していない。つまり……残るのは1人しかいない訳だ。
「おお? お姉ちゃん、元気いいね。……へぇ。こうして見ると、結構いい女じゃん。なぁ、この女は俺が貰ってもいいよな?」
「えー、タケ、ずりー。前もそうやって女を持っていったじゃん。順番で考えれば、今日は俺だろ?」
「うるせえな。俺はこういう気の強い女がヒーヒー言うのを見るのが好きなんだよ。……なぁ、お姉ちゃん。お姉ちゃんもこんなヒョロイ雑魚より、俺の方がいいよな?」
性欲という欲望に濁った目でゆかりを見るニット帽の男。
これ
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