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転生とらぶる
ペルソナ3
1926話
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で、もしゆかりが普通の女であれば、怯えるといった行動をとっただろう。
 だが、ここにいるのはゆかりだ。
 それこそ、順平よりも……そして不良よりも実戦慣れをしている人物。
 ……まぁ、ゆかりは美人と呼ぶに相応しいくらいの顔立ちであり、身体に関しても同年齢の平均よりも発達している。
 それは、ゆかり本人も理解しているのだろう。
 欲望に濁った視線を向けられても、特に狼狽したりする様子は見せず、1歩後ろに下がって、自分に向かって伸ばされた手を回避する。
 本来ならゆかりの肩を掴む筈の手は、当然のようにゆかりの身体ではなく、空中を掴む事になり……ニット帽の男の顔に苛立ちが混じった。
 まさか、ゆかりがこんな風に抵抗するとは思わなかったのだろう。

「おい」

 周囲にいる仲間の前で恥を掻かされた事が気にくわなかったのだろう。
 苛立ちの混ざった声で短く呟き、再びゆかりに向かって手を伸ばす。
 だが……ゆかりは、今度も1歩退くことにより、その手から逃れる。
 しかも今回は、その腕を回避しただけではない。そのまま男の手首を掴んだのだ。
 そして次の瞬間、男は掴まれた手を急に引っ張られ、バランスを崩す。
 人間というのは2本足で立っている。
 その気になれば、バランスを崩させるというのは、難しい話ではない。
 ましてや、ゆかりは不良の喧嘩といったものではなく、命懸けの実戦を経験しているのだ。
 このような動き、特に問題なく可能でもおかしな話ではないだろう。

「うおっ!」

 また、ゆかりに余裕を見せつけるように、ゆかりに伸ばしていない左手をズボンのポケットに入れていたというのも、この場合は男にとって運が悪かった。
 結果として、受け身の類を取ることも出来ず、バランスを崩した動きのままゆかりにいいように振り回され、地面に倒される。
 ……せめてもの救いだったのは、ゆかりの力では地面に倒す事は出来ても、投げるといった真似は出来なかったことか。
 片手がポケットに入った状態のままもし投げられていれば……恐らく骨の1本や2本は折れていただろう。
 だが、不良の男にそんな事が分かる筈はない。
 最初、自分は何をされたのか分からない様子で、地面からゆかりを見る。
 ……その視線に、スカートの中を覗かれると思ったのか、ゆかりは微かに嫌そうな表情を浮かべると、そのまま数歩後ろに下がる。
 その行動が、地面の男を我に返らせる。

「この女、徹底的に犯してやる!」

 下着はともかく、恐らく太ももくらいは見たのか、男は怒りと性欲に満ちた目でゆかりを睨み付ける。
 そんなゆかりを庇うように、俺が前に出る。
 正直なところ、ここでゆかりに任せていても特に問題はなかっただろう。
 それこそ、この不良達程度ではどうあっても
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