暁 〜小説投稿サイト〜
虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
第二章 ヒーローズ リターン トゥ エブリデイ
Act1 東京さおっそろしいとこだべ
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いる様だが、睡魔が徐々に香蓮の意識を蝕んで、体全体の言う事も利かなくさせていました。
 そして、

 「・・・」

 遂に堕ちたのです。


 −Interlude−


 「あれ・・・?此処・・・何所だろう?」

 朝日の光に当てられた香蓮は、それに促されて徐々に起き上がりました。
 しかし目を覚ましたのですが、自分の置かれている状況を把握できずに混乱しています。

 「布団の中・・・と言う事は・・・・・・全部夢だった?」

 騙された事も全部?と淡い期待もしたようですが、頭が覚醒しきっていく内に周囲を見渡したことで夢では無い事に気付きました。
 何故なら知らない天井、知らない布団、知らない部屋だと気づいたからです。

 「襖?」

 如何やら自分のいる家が日本家屋形式だと気づいたようです。
 ですがそんな事より、

 「近くにバッグはあるし、何も取られてないって事は、誰かが助けてくれた?だけど何の目的で?」

 騙された後なので、この様な無償な善意に警戒する様になってました。
 そこへ襖越しから、家主だと思われる男性から声を掛けられます。

 「起きた様だが、中に入ってもいいかな?」
 「え?」

 いきなり声を掛けられて慌てる香蓮ですが、自分の衣服がはだけていないかの確認をした後、どうぞと聞こえるか聞こえないかのギリギリの小声で言いました。

 「なら遠慮なく」
 「・・・・・・」

 入って来た男性は、恐らく自分よりも高身長な俗に言うイケメンさんでした。
 まあ、黙ったのはイケメン顔に見惚れたのではなく、警戒心故でしたが。

 「起き上がれるようだけど、念のために消化しやすい御粥を作って来たんだが、食べれそうかな?」
 「・・・・・・はい」

 顔を真っ赤にしながら頷きました。
 顔を真っ赤にしたのは怒っているからではありません。何と返事を返そうかと迷っている内に、御粥から漂ってきた良い匂いに触発されたのか、空腹の合図が自分のお腹から鳴ったからです。
 この気恥ずかしさを隠すようにお盆を受け取った香蓮は、一口目を直に口へ運ぶと驚きました。

 「凄く美味しい・・・」

 思わず警戒を忘れて本音が飛び出てしまいました。

 「口に合ったなら何より、たんと食べなさい」

 そんな優しく諭すように言葉を掛けられた香蓮は、自然と警戒を解いて、そして少しづつ泣き出してしまいました。
 それを何も言わずに男性は香蓮の頭を優しく撫でています。
 それがより香蓮の心を氷解させていったのか、泣きながら御粥を食べ続けます。
 こうして、香蓮が食べ終わるまでこれが続きました。

 香蓮が食べ終わり、家主の男性――――衛宮士郎が洗い物を終えた所で、そこで漸
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