暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 少年と贖罪の剣
幕間の物語:スリーピング・ナイツ
第二十話:近づく最期
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、決して切り離すことはできない思い出だ」

「そう、ですか……。すみません兄さん、少し、眠くて…」

「ああ、おやすみ、藍子」

 微睡む彼女の頭を撫でる。すると藍子は、安心したように瞼を閉じた。

「兄ちゃん!?」

 宿に入ったオレを出迎えたのはユウキの叫び声だった。恐らくは眠る藍子を見ての反応だろう。眠っているだけだということを伝えると、ユウキは安心したようにテーブルに座り込んだ。

「ねえ、兄ちゃん」

「何だ?」

 藍子をベッドに寝かせ、ラウンドテーブルに座るユウキの対面に座る。ユウキはどこか思いつめた顔で、オレを見つめていた。

「ボク、やりたいことがあるんだ。でも、それはみんなに迷惑をかけるだけなのかもしれない。姉ちゃんやみんなの思いを、踏み躙っちゃうかもしれない」

 ユウキのやりたいことが何なのか、オレには分からない。けれどオレは、否定するつもりはなかった。

「ユウキが悩んだ末に出した案なら、オレは支えるよ。まずは――」

 寝室と隔てる扉をチラリと見やると、暗闇の中でもよく見える水色の長髪が揺れているのが見えた。きっと他のみんなも起きているのだろう。

「話してごらん、ユウキの思いを」

「――うん」



To be continued
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