暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
12話 お話と花園で
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しいリアはいなかった。

「別に、あなたに嫌われたって逆にこっちは嬉しいってぐらいなこと、まだわかんないかな?それとね、一つ確実なこと教えてあげるよ」

 一つの間があく。

「ここで死んだら、現実世界でも死ぬ。それは確か。それでも信じないっていうんならさ」

 ニヤリとリアが笑った気配がした。

「自分で体験したらどう?」

 しかし、それでもロザリアはひるまなかった。そして、再び吐き気がするような笑みを浮かべる。

「そんなことができるならね」

 そして、彼女がぱちんと指を鳴らすと、木陰から次から次へとプレイヤーが出てくる。カーソルは全員オレンジ。その数、10。

「り、リアさん、数が多すぎます!脱出しないと…」

 流石に、いくら攻略組といっても、数の暴力という言葉がある。シリカが焦ったように言うと、リアは焦るシリカの頭にぽんっと手を置き、わしゃわしゃと撫でた。

「シリカ。私たちはオールラウンダーだよ?…信じてほしい」

 リアの誠実さがこもった言葉に、シリカは一瞬見惚れ、そしてやがて頷いた。リアはニコリと笑うと、それが合図だったように、ずっと後ろにいたツカサが前に出てきて、2人そろって彼らに近づいていく。


 その時、2人の右手が動く。それは、武器ではなく、ウィンドウを呼び出すしぐさ。不意に、2人のフードが音もなく消え、それとセットだったコートも消える。さらに、2人の片手剣と長槍も消え、その手には、初めて会ったとき見せてくれた彼らの本当の得物。


 そこには、この世界でもっとも有名なオールラウンダーの2人が立っていた。
「うそ、だろ…」

 オレンジの中からそんな声が漏れた。一方、鞘から心地よい音を立てて剣を引き抜くリアと、槍を右手に持ち替えるツカサは、いつもとは打って変わっていた。




 2人の眼は、“狂気”で染まっていた。




「さてさて、どんな風に料理しようか、ツカサ君」
「全員だるま」
「了解」

 驚愕で固まるオレンジの間を、白と薄紫、翡翠と黒の残像が走る。その光がそばを通った瞬間、次々とオレンジの両手両足が切断されていく。“部位破壊”と呼ばれる現象である。飛ばされた手足は地面へとつく前に、ポリゴンになって四散する。

 現実世界だったら、絶句するほど残酷な場面だろう。だが、それにゆるりと口角を上げた2人が入ればどうだろう。その眼が焦点の定まらない狂気で染まりあがっていたらどうだろう。…それは、“地獄絵図”と化す。

 
 ロザリアの脚は、人生で一度も感じたことがない恐怖で、信じられないほど震えていた。そして、その片方の目が、ロザリアの眼へと焦点を合わせた瞬間、体に強烈な寒気が走り、脚が使いもにならなくなってへたり込む。だ
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