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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
12話 お話と花園で
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「これで、ピナを生き返らせられるんですね…」
「そうだよ。“ピナの心”に、その花の雫を振りかけるだけでいいの。だけど、ここは強いモンスターが多いから、街に戻ってからにしよう」
「はい!」


 帰り道は先ほどのモンスターの多さは嘘のようだった。ほとんどポップせず、あっという間に丘の麓にたどり着く。あとは街道を1時間歩くだけだ。弾む胸を押さえつけ、小川に架かる橋を渡ろうとする。が、その時、肩にリアの手が置かれ、シリカはドキッとして立ち止まった。


 顔はフードで見えないが、何かわからない不思議なオーラのようなものがその体から放出されている気がした。

「…そこで待ち伏せしてる人、出てきなよ」
「え…」

 シリカがいくら目を凝らしても、そこには誰もいない。だが、不意にがさりと木の葉が動き、一人のプレイヤーが出てくる。シリカは目を疑った。真っ赤なウェーブの髪、赤い唇、細身の十字槍…
「ろ、ロザリアさん!?」

 そこには、昨日までパーティーメンバーだった赤髪ロザリアが立っていた。ロザリアはシリカの言葉を無視し、その視線はリアに注がれる。

「アタシのハンティングを見破るなんてなかなか高い索敵スキルね。侮ってたかしら?」
「ご自分の隠蔽スキルに随分自信がおありのようだけど、実際はずいぶん低い気がするのは気のせいかな?」

 リアはロザリアを茶化すようにそう言った。もし、もう少しSAOのエモーション感度があれば、ロザリアの半分さらけ出された額に青筋が入っていただろう。

 わずかにピクリと頬が動くが、さすが大人と言おうか、ロザリアはそれをスルーする。そして、視線をシリカに向けた。

「どうやら、首尾よくプネウマの花を手に入れられたみたいね。おめでと、シリカちゃん」

 ロザリアはそう言った後に、意地の悪い笑みを浮かべた。

「じゃ、早速その花を渡してちょうだい」
「!?な、なにを言っているの!?」

 が、その時、シリカの後ろにいたリアが、前に出てくる。

「まったく、随分野蛮なんだね、おばさん。…いや、オレンジギルド“タイタンズハント”のリーダー、って言ったほうがいいかな」


 流石に、衝撃を隠せなかったようで、眉がピクリと跳ね上がり、笑みが消える。


 SAOでは、窃盗、傷害、殺人などを、システム上の犯罪を犯した場合、通常緑のカーソルがオレンジ色と変わるのだ。そのようなことで稼ぎ、日々の生活の糧にしているプレイヤーは“オレンジプレイヤー”、ギルドは“オレンジギルド”と呼ばれる。

 だが、ロザリアのカーソルはいくら見ても緑だ。

「え、だって…ロザリアさんのカーソルはオレンジ…」

「オレンジギルドって言っても、全員がオレンジじゃない場合が多いんだよ。じゃな
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