ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
12話 お話と花園で
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くわかってるね」
リアはそう言って、いたずらっぽく笑った。索敵スキルも、聞き耳スキルもマスターしているリアがずぼらなあのプレイヤーに気づかないはずがないのだ。
ツカサは前髪を掻き上げた。
「まあ、何はともあれ、明日襲ってくるってわかったんだから、これでひとまず安心だな」
「だね。…あとは、シリカがこのことを許してくれるかどうか、かな」
壁に寄りかかりながら、リアが言うと、ツカサはゆっくりと笑みを浮かべた。
「大丈夫だと思う。随分リアになついてるみたいだしさ」
「ツカサ君がそういうなら大丈夫かな」
リアもツカサに笑みを返し、扉を開け、部屋に入ると…
「「……」」
そこには、体を丸め、気持ちよさそうに眠るシリカ。流石の2人も何も言えない。
「…どうします、ツカサさん」
「俺はどこでもいいんで、あなたが決めてください、リアさん」
しばらくの間、2人は入り口に突っ立ったままであった。
シリカは、ゆっくりと耳元で奏でられる起床アラームで目を覚ました。朝は苦手なほうなのに、今日はなぜかすっきりと目が覚めた。一つ伸びをしたところで、ベッドの隣にあるティーテーブルの机に、一人の人物が座っているのに気づく。それは…
「つ、ツカサさん!?」
シリカの上ずった声に、手元に集中していたツカサはシリカのほうを振り返った。
「ああ、シリカか…おはよう」
「あ、お、おはようございま、す…?」
なぜか最後が疑問形になってしまう。なぜ自分の部屋に彼がいるのだろうか。昨日の記憶をたどったところで、シリカの顔は一気に真っ赤になった。感情オーバーなSAOなので、その顔はゆでタコのように赤い。
自分は、彼らの部屋に来て、そのままベッドで寝てしまったのだ。
「あ、あの、あ、あたし…」
「…別に気にしてないから」
作業しながら、ツカサはそっけなく言った。だが、シリカには、それが最大限の気遣いの言葉だとわかる。
「ありがとうございます…!」
返事はなかったが、シリカには、少しツカサが微笑んだような気がした。
それにしても、彼は何をやっているのだろうか?
「あの、それ何やってるんですか?」
「…これ?…この間、いい素材が入ったから、加工しようと思って。細工中」
「え、ツカサさん、細工スキル持ってるんですか!?」
ツカサはゆっくり頷いた。シリカが驚くのは無理もない。数が限られているスキルスロットを攻略組が裂くなど、少々異常なことだからだ。だが、考えてみると、オールラウンダーでそのような依頼も受け付けているのだから、持っているのは当たり前か。
「…仕事上必要っていうのもあるけど
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