ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
2章 生き様
12話 お話と花園で
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て、OKボタンをクリックする。と、目の前に円形のホログラムが映し出された。それはどうやらアインクラッドの層ひとつを丸ごと映し出しているようだ。恐らく、もしプレイヤーが空を飛べたとしたら、こんな景色が見えるのだろう。
「攻略組にとって、地形把握は大切だからね。ほとんどの攻略組は持ってる必須アイテムなんだ」
「へぇ、そうなんですか」
そこから、リアは丁寧に一つ一つ説明してくれた。そこでポップするモンスターやトラップなどはどうやらお手の物らしく、ドロップするものまで完璧だ。流石情報すらも取引するオールラウンダーというべきか。
さらに、そこで起こった面白い話などを面白おかしく織り交ぜてくれるので、シリカもたちまち笑顔になる。
「それで、この橋を渡ったら…」
リアはシリカにしゃべらないようにと、唇に人差し指を当ててから、すっと立ち上がった。
「すぐに丘が見えてくるんだけど、なんかドアのところに大きな虫が張り付いてるみたいなんだよねー?」
リアはそう言って、稲妻のごとく、扉を開けた。シリカの位置からは見えなかったが、慌ただしく走り去る音が聞こえる。
「な、何…!?」
「盗み聞きだね」
「え、でもドア越しじゃ聞こえないんじゃ…」
この世界では、ドア一枚隔ててしまうと、一切の音が通らなくなる。唯一通るのは、叫び声、戦闘音、そしてノックの音だけだ。例外として、ノックした後30秒は遮蔽がなくなる。
だが、ノックの音は聞こえなかったし、こちらが大きい声を出したわけでもない。
扉を閉めながら、リアは首を横に振った。
「聞き耳スキルを上げてれば、例えドア越しだろうが関係なくなるんだ。まあ、そんなマイナーなスキル上げてるプレイヤーなんてそうそういないんだけどね」
「でも、なんで立ち聞きなんか…」
リアは心配そうなシリカを元気づけるように、ニヤリと笑った。
「美人2人でなに話してるか気になったんじゃない?」
思わずシリカは吹き出してしまった。言っている内容もそうだが、言い方が何とも言えず面白かったのだ。
「ごめん、シリカちょっと待ってて」
リアはそう言うと、ツカサの袖を引き、部屋の外へと出て言った。
だが、シリカはもう怖くなかった。なんとなくベッドに丸々と、いつしか意識は眠りの底へと吸い込まれていった。
「やっぱかかったね」
「まさかこんな簡単に行くとは思わなかった…」
ツカサが呆れたように溜息を吐きながら言った。
「これで明日、来るかな?」
「あの様子じゃ、そうだろ。第一」
ツカサがリアを見つめた。
「盗み聞きされてるってわかってて47層のこと話してただろ」
「さすがツカサ君。よ
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