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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第五十五話 管理局との交渉、そして新たな運命の前日   ★
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視線が金色の宝石が輝く黒き剣の横にある、赤い宝石が輝く白き剣に向けられていた。

「ああ、これか?」
「う、うん」
「海鳴でフェイトと別れた後になのはに欲しいってお願いされてな。
 遅くなったけど俺が本局に来る時に渡したんだ」
「うう、なのはずるい。
 私が士郎と会えない間ずっと一緒だったのに。
 士郎も士郎だよ」

 えっと……なにやらぶつぶつ呟いているがどうかしたのだろうか?

「士郎!」
「は、はい。何でしょう?」

 フェイトの迫力に反射的に姿勢を正してしまう。

「私となのは以外には渡してないよね」
「? ああ、フェイトとなのはにしか渡してない。
 誰でも渡せるような代物じゃないしな」

 元々が干将・莫耶という夫婦剣であり、惹き寄せあい再び会えるように、互いの絆の証として作ったのだから、軽く渡せるモノじゃない。

「ならいいけど。
 でも今後誰かに頼まれても作っちゃだめだよ。
 いい?」
「えっと」
「い、い、よ、ね?」
「……はい」

<i445|1315>

 フェイトの言葉に頷く。
 なにやらやけに迫力があった。
 なぜ作っちゃ悪いかはわからないが、作らないようにしよう。

 そんな時

「士郎、休憩中にすまない。
 お客さんだ」
「お客さん? 俺にか?」

 クロノが休憩室に入ってきてそんな事を言った。

 ここに来るお客さんといえばリンディさんや、レティさん、プレシアといったところだかその三人ならクロノがわざわざお客さんという事もない。

 アースラの面々なら顔見知りはいるがわざわざ呼び出す事もないだろう。

 お客さんが誰か思い当たらず、フェイトと顔を見合わせ首を傾げる。

「とりあえず行くか」
「あ、私も行く」

 ネクタイを締め直し、服装をチェックしてフェイトと共にフロアに戻るとそこには

「わざわざ呼び出してすまない」

 クラウン・ハーカー中将が立っていた。
 
 制服を着てはいないが時空管理局の本局の中将が魔術師がいる喫茶店をただ食事に訪れるとは思えない。
 魔術に関する交渉か?

 私服でここなら他の局員に話を聞かれることなく秘密の取引も可能だ。

「実は……」

 クラウン中将の言葉に様子を見守っていたクロノやエイミィさん、フェイト達が息を呑む。

「誕生日ケーキをお願いしたいのだが」
「…………は?」

 今何といった?
 タンジョービケーキ?
 いや、誕生日ケーキか。

「えっとクラウン中将?」
「ああ、今はプライベートだから肩書はいらない」
「ではクラウンさん。
 確認しますが、ここに来たのは」
「娘の誕生日ケーキを頼みに」

 裏取引でも何でもなく本当に
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