第百三十六話 鍛錬をしてその十
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「自分の身体を守るだけだ」
「そうした生きものだからだ」
それでというのだ。
「暴力なぞだ」
「とてもですね」
「振う筈がない」
留美さんは僕にも強い視線を向けていた、そのうえで僕に断言した。
「天地がひっくり返ってもな」
「そこまで大人しいんだよね」
「よく誤解されるがな」
「猿の惑星だったかな」
結末はその猿の惑星が実は遥か未来の地球だったというものだ、この結末は映画を観ていない人でも知っているから凄い。
「ゴリラは武闘派というか暴力的だったね」
「チンパンジーが良識派でだ」
「けれどチンパンジーはね」
「実は違う」
良識派、つまり大人しいかというと。
「狂暴だ」
「そうだったね」
「そうだ、ゴリラは菜食だ」
草食ではない、何故ならゴリラは草の類は食べないからだ。
「セロリや果物を食べる」
「動物園でもそうだね」
「肉の類を食べることはない」
それこそ一切だ、この辺り笹だけでなく山羊や羊を食べたりもするパンダとは全く違う。パンダは実は漢字では大熊猫と書いて大きくて狂暴だ。
「菜食だとどうしてもだ」
「気性が大人しくなるっていうし」
「だからだ」
このこともあってというのだ。
「ゴリラは本当にだ」
「大人しくてね」
「性格がいいのだ」
「そうだね」
「そうだ、しかしだ」
「誤解されてるんだね」
「そうした生きものだ、むしろ人間よりも遥かにだ」
ゴリラはというのだ。
「非常に大人しくて優しい」
「そうした生きものだね」
「だから暴力を振るう輩はだ」
「ゴリラよりもですね」
「遥かに劣る」
唾棄する顔でだ、留美さんは言った。
「だから私も否定している」
「そういうことなんだね」
「かつてパパ、いやお父さんに言われた」
また自分の言葉を訂正した、どうも留美さんは実家ではご両親を今もパパそしてママと呼んでいるらしい。
「人は外見で判断するな、そしてだ」
「生きものもだね」
「そうでだ、そしてだ」
「暴力を振るう人は」
「下手な獣にも劣るとな」
そう言われたというのだ。
「ゴリラの様な大人しい生きものと比べたらだ」
「遥かにだね」
「劣るとだ」
その様にというのだ。
「言われた」
「いいこと言うね」
「ママ、いやお母さんもだ」
また言葉を訂正した、顔がその瞬間赤くなっていた。
「そう言っていたしな」
「人は外見だけじゃなくて」
「生きものもでだ」
「そして暴力を振るうとだね」
「獣以下だ、獣は生きる為に狩りをする」
全ては糧を得る為だ」
「そうするがだ、ならず者はだ」
「自分より弱い人にだね」
「遊びで暴力を振るっていたぶる」
「獣以上に野蛮だっていうんだね」
「そして狂暴だ、ではだ」
「獣以下
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