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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第五十話 空中訓練
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行宝具、旅人の羽靴(タラリア)
 英雄ペルセウスがメドゥーサを退治する際にヘルメスから貸し与えられた道具のひとつで、履く事で空を自由に翔ける事が出来る宝具である。
 そしてその速度は鷲よりも速いという。

 だが今ここにあるのは衛宮士郎が投影した贋作。
 士郎の属性が剣である以上防具でもなく空を飛ぶ魔法の靴を投影すれば能力の低下は避けられない。
 それでも単純な直線での最高飛行速度はなのはとほぼ同等である。

 しかし今は状況が異なる。
 なのは自身も士郎から距離をとろうと後ろに飛んではいるがデバインシューターをコントロールしながらの状態である。
 速度が出るはずがなく、なのはは士郎の間合い入る。
 振り下ろされる木刀。
 だがそれは

「Flash Move」

 空を斬った。
 
 振り下ろされる木刀よりも速くなのはの桃色の羽が強く羽ばたき間合いを取る。
 瞬間的な加速ではタラリアとなのはではなのはに分がある。
 そのことを頭では理解していても、なのはとレイジングハートコンビの瞬間的な加速力に舌を巻く士郎。

 なのはを追うべくタラリアの黄金の翼が羽ばたくが、なのはが最初に放った三発のデバインシューターはまだ生きている。

「ふっ!」

 背後から迫るデバインシューターを振り返りながら木の短剣を投擲し迎撃する。
 だがそれと同時に

「ディバイン―――」
「ちっ!」

 なのはの言葉に一気に間合いを詰める事を考える士郎。
 だが

(間に合わんか)

 タラリアの加速力では、なのはのバスターの方が早いと判断するや否や海に向かって加速する。

「―――バスター!!」

 放たれる砲撃。
 なのはが得意とする砲撃魔法。
 それから逃れるように重力の恩恵を受けながら凄まじい速度で加速、いや海に墜落していく士郎。
  
 本来なら接近戦型相手に下手に砲撃を撃てば撃った直後の隙を突かれる。
 過去のジュエルシード事件の際にも、なのはは砲撃の直後の隙を突かれフェイトに敗北している。

 だが士郎にはそこまでの空戦能力はない。
 いや、正しくはプライウェンや魔力放出を使えば可能だろうがタラリアだけでは出来ない。
 そして士郎がいくら加速しようとディバインバスターの弾速を超える事は出来ない。
 出来るのはあくまで距離を稼ぐ事が精一杯だ。
 士郎もそれは理解している。
 
 士郎の背後に迫る砲撃。
 それをトップスピードの状態のまま

「ぐっ!」

 身体が軋むような音を耳にしながら無理やり身体をねじり方向転換をする士郎。
 その士郎を掠めるように海に着弾するなのはの砲撃。

 なのはも士郎がかわすと同時に追撃しようとするが士郎の右手に木刀がないの
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